調査・データ現場帳票システム「i-Reporter」を運用するシムトップス(東京都品川区)は29日、現場での帳票デジタル化が成功するか、失敗するかを決定的に分ける5つの重要観点を特定したとするレポートを公表した。レポートでは、実際の顧客の声とともに、定量データに基づく具体的な成功法則を公開している。
製造業を中心に、現場帳票のデジタル化は喫緊の経営課題となっているが、導入後に「現場の抵抗」「想定外のコスト」「期待した効果が出ない」といった課題に直面し、紙やExcel(エクセル)に逆戻りするケースは少なくない。実際、製造業の現場帳票管理でのアナログ管理比率は2022年の63.7%から25年には69.6%へと増加し、「アナログ回帰」の状況が生まれている。
このため、同社はIT製品の比較サイトに掲載されている300社を超える企業のレビューを分析し、その結果、導入後の成功と失敗を決定的に分ける「5つの重要観点」を発見した。
同社によると重要観点は、どこで効果が出るのか、何を測定すべきか▽DX担当者と現場がスムーズに連携できるか▽導入コストを下げる支援があるか▽既存システムとつないでデータ活用できるか▽現場カイゼンの仲間とつながれるか──の5点で、これらのポイントを押さえずに導入すると、現場の実情に合わず、想定外のギャップに直面して、「違う方式にすればよかった」と後悔することも多いとしている。
デジタル化で効果が出やすいのは、二重入力・転記作業の排除や検索・保管時間の削減、リアルタイムでの可視化による業務改善で、別の効果を期待すると、効果を実感しにくい。また、既存の帳票レイアウトをそのまま使えることも大切で、見慣れた帳票をベースにすると、DX担当者と現場のコミュニケーションが取りやすくなる。
メーカーやベンダーのサポート体制や講習・研修も重要で、十分なサポートがない場合、「導入したものの使いこなせない」「社内にスキルがない」といった課題に直面する。
デジタル化の次のステップとして、外部システム連携やデータ活用に期待する企業も多く、既存システムとの連携も確認しなければ、導入後に後悔することになる。
DX推進担当者が孤独にならないようにする配慮も必要で、ユーザーコミュニティーなどを設けて同じ課題に取り組む仲間と情報交換できるようにしているサービスを選ぶと、互いに教え合うことで迅速な解決や担当者のモチベーションの維持につながる。
同社は「5つの重要観点は、帳票のデジタル化や現場DXを推進しようと考えている多くの企業にとって、極めて大きな意味を持つ。こうした経験に基づく知見を循環させることで、日本企業全体のDX推進を加速させられる」としている。
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