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川崎重工、米国現地法人の鉄道車両工場を拡張

2011年1月13日 (木)

拠点・施設拡張された鉄道車両工場川崎重工業は13日、米国現地法人カワサキモータース・マニュファクチャリング・コープUSA社の車両工場(ネブラスカ州リンカーン市)で進めていた拡張工事を完了したと発表した。

 

今回の拡張は、同社が2005年から06年にかけて受注したニューヨーク・ニュージャージー港湾局ハドソン横断公社向け地下鉄電車「PA-5」、メトロノース鉄道向け通勤電車「M-8」の同時製造に加え、米国で見込まれている高速鉄道プロジェクト、既存車両の置き換えや輸送力増強に関するプロジェクトなどの鉄道車両の需要増に対応するために製造能力を増強したもの。

 

拡張工事では、既存工場の北側に新工場棟(全長500メートル×幅25メートル)を増設して第2構体ラインを新設したほか、既存工場の南側に新工場棟(全長250メートル×幅25メートル)を増設して第2艤装ラインを新設。北米案件に関連する外注部品の内製化を行うための新工場棟(全長250メートル×幅25メートル)と、建設した新棟の南側に機能試験設備や走行試験線、留置線も新設した。

 

現地法人の車両工場は、鉄道車両事業の競争力強化を図るため、地下鉄車両・通勤車両の構体製作から車両完成までの一貫製造を行うことができる米国唯一の鉄道車両製造拠点として、01年に操業を開始。

 

今回の拡張により、生産ラインはほぼ2倍の規模になり、同時期に複数のプロジェクトに取り組む製造体制が構築されるとともに、機能試験設備の導入により、これまで車両完成後にカワサキ・レイルカー社(KRC、ニューヨーク州ヨンカース市)で実施していた機能試験をKMM車両工場でも行なうことができ、同工場から顧客への直接納入が可能となった。今後は顧客特性や操業負荷に応じてプロジェクト毎に最適な製造体制を構築することができる。

 

同社は兵庫工場(神戸市)を車両の開発・設計、日本国内向けと北米以外の輸出先向けの車両製造を主業務とするマザーファクトリーと位置付け、米国で鉄道車両の受注・納入実績を豊富に持つKRCと、今回拡張したKMM車両工場の3拠点で密接な連携をとり、「環境負荷の少ない交通手段である鉄道車両を、拡大が期待される米国など国内外に提供していく」としている。