行政・団体公正取引委員会は10月31日、トヨタ自動車の子会社で宮城県や岩手県などで車両を生産するトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)が、下請け会社に自動車部品や金型を無償で保管させていたとして、下請け違反を認定し、再発防止策を講じるよう勧告したと発表した。親会社のトヨタ自動車が作成した発注に関するマニュアルが、違反の一因になっているとして、同社にも改善を申し入れた。
公取委によると、トヨタ東日本は自動車部品が製造打ち切りになるまでに必要と見込まれる数を一括で下請け会社に製造させ、同社や下請け会社が在庫を保管する制度を採用しており、この契約で製造する部品を「一括生産部品」と呼んでいた。
しかし、下請け事業者から一括生産部品の製造が終わったとの報告を受けた後も、下請け事業者に部品の保管を続けさせ、部品が必要になったときだけ納品させていた。これによって、2023年5月からことし3月まで、下請け事業者7社から部品777個を不当に受け取らず、無償で保管させていた。
また、昨年4月からことし3月、下請け10社に部品を1年以上発注しなかったにもかかわらず、金型など計440個を承諾なしに廃棄しないよう求め、無償で保管させていた。
指摘を受けた同社は、777個を全て引き取り、部品代93万円を払ったほか、保管料として364万円を支払った。金型についても、保管費用として577万円を支払い、金型の保管に関する覚書を交わした。
公取委は同社に対し、改善措置を報告するように指導・勧告した。また、トヨタ自動車が作成したマニュアルが、違反の重大な要因になっているとして、同社に対してもマニュアルの見直しを含めた改善措置を講じるよう申し入れた。
トヨタ東日本は同日、「勧告を厳粛に受け止め、社内体制の整備のために必要な措置を講じ、役員や従業員に周知徹底するなど再発防止を進めていく。今後一層コンプライアンスを第一に、取引先とのコミュニケーションを大切にしながら適正な取引を行っていく」などとするコメントを発表した。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。

















