M&A射出成型機メーカーの日精樹脂工業とTOYOイノベックス(兵庫県明石市)は14日、来年4月1日に経営統合すると発表した。株式移転方式による共同持ち株会社を設立し、両社が傘下に入る。持ち株会社は東京証券取引所プライム市場に上場する予定で、両社は上場廃止となる。
中国企業の台頭など国際競争の激化や世界的なコストの上昇に対応し、脱炭素に対応した製品開発や電気自動車(EV)など新たな市場でのシェア拡大を図るため、経営統合によって経営基盤の強化を図るとともに業界再編を目指す。
新設する持ち株会社は「GMSグループ」で、日精樹脂工業の株式1株に対して新会社の株式2株、TOYOイノベックスの株式1株に対して同1.51株を割り当てる。持ち株会社の会長兼最高経営責任者(CEO)には日精樹脂工業の依田穂積社長、社長兼最高執行責任者(COO)にはTOYOイノベックスの田畑禎章社長が就任する。
「GMS」は、「Global Molding Solutions」の頭文字で、業界再編のきっかけとなり、中心的な存在としてグローバルに活躍するグループを形成していきたいとの思いを込めたという。
日精樹脂工業は1947年の創業で、射出成形機関連の機器のみを手がける専業メーカー。海外での売上高比率は6割以上を占める。現在、海外の製造拠点は中国、タイ、米国、イタリアの4か国にあり、インドでも新工場の建設を予定している。
TOYOイノベックスは1925年の創業で、射出成形機のほか、ダイカストマシンの製造・販売も手がけている。売上のうち射出成形機関連が7割、ダイカストマシン関連が3割を占め、海外売上高比率も7割近くを占める。製造拠点は日本と中国にある。
日精樹脂工業の26年3月期の売上高見通しは442億円、最終利益5億5000万円。TOYOイノベックスの売上高見通しは300億円、最終利益1億5000万円を見込んでいる。
両社は「同業とはいえ、サイズや駆動方式などで補完関係にあり、売上のシナジー効果も期待できる。TOYOイノベックスが手がけるダイカストマシンは、日精樹脂工業で取り扱っておらず、完全に補完関係にある」とし、「経営統合によって、単独では実現できない取り組みが可能になる」としている。
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