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（出所：国際航空運送協会）
調査・データ国際航空運送協会（IATA）は9日、SAF（持続可能な航空燃料）の生産見通しを公表した。2025年のSAF生産量は1.9Mt（2億4000万リットル）とし、2024年比で倍増する一方、26年は2.4Mtにとどまり成長が鈍化すると説明した。
発表によると、25年の1.9Mtは全ジェット燃料消費量の0.6％にあたり、翌年は0.8％に上昇する見込みだ。SAFの高価格により、25年の追加的な燃料コストは36億ドルに達するとした。また、政策支援の不足によりIATAが以前示した予測から下方修正となった。現在のSAF価格は化石燃料の2倍、義務化市場では最大5倍に及ぶという。
IATAはEUと英国のSAF義務化政策が生産拡大を阻害していると指摘した。欧州のReFuelEU Aviationでは供給網が限定されるなかでコストが急騰し、航空会社は従来燃料の最大5倍、SAF市場価格の2倍を支払う状況が生じている。英国でも義務化による価格上昇が続き、2025年に航空会社が負担したSAFプレミアム29億ドルのうち、14億ドルが標準的な価格差だった。
IATAは、生産能力拡大が進まないことで、航空各社が掲げる30年のSAF使用10％目標の達成が困難になると述べた。さらに、英国で28年、EUで30年に導入されるe-SAF義務化に向け、同様の政策失敗を繰り返さないよう警鐘を鳴らした。
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