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EUでトラック安全駐車マス不足が深刻化

2025年12月11日 (木)

調査・データ欧州委員会はこのほど、トラック運転者向けの安全・安心な駐車エリア(SSPA)の整備状況をまとめた報告書を公表した。運行時間・休息時間を定める規則(561/2006)と、それを補完する委任規則(2022/1012)に基づき、物理的セキュリティー、照明、監視、ドライバー設備などの基準を満たした駐車場を、ブロンズからプラチナの4段階で認証する仕組みを整えている。

報告書によると、EU域内のトラック駐車マスは38万台分ある一方、EU基準で認証されたSSPAはわずか4943台分にとどまる。必要とされる安全駐車マスは39万5000台分と試算されており、現状では39万台分が不足している計算だ。欧州横断輸送ネットワーク(TEN-T)沿線では地域偏在も大きく、中部・南西欧を中心に「空白地帯」が残る。

安全面では、事業者の85%が「非確保駐車場で盗難・破損を経験」と回答。ドライバーの79%が脅威や危険な状況を経験したとする一方、「駐車場で安全だと感じる」としたドライバーは9%にとどまった。トイレやシャワーなど設備の清潔さへの不満、リアルタイム空き情報の不足、利用料金の高さもSSPAの利用拡大を妨げている。

委員会は、まず既存の高速道路サービスエリアをブロンズ水準まで「クイックアップグレード」することがギャップ解消の近道と指摘。盗難多発地域ではプラチナ水準の整備を優先すべきとした。さらに、CEF(Connecting Europe Facility)による資金支援、満空情報・予約機能を備えた共通アプリの導入、女性ドライバーに配慮した区画設置や宿泊施設の確保なども提言している。

TEN-T規則では、2040年末までに中枢・拡張中枢ネットワーク沿いに、平均150キロごとにEU認証SSPAを整備することが加盟国に義務付けられている。

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