ロジスティクス福岡県警は17日、筑後地区の久留米、筑後、八女、みやま4警察署合同でトラック過積載の集中取り締まりを実施した。公式Xアカウント(@fukkei_koho)に投稿された計測現場の写真2枚が即時拡散され、ドライバーから「運賃が安くて積まざるを得ない」との声が相次いでいる。時間外労働の上限規制が本格化するなか、運行効率化の圧力が「積み過ぎ」を誘発するリスクが改めて表面化している。(編集長・赤澤裕介)
取り締まりは筑後地区の主要物流ルートである国道3号、443号沿いで行われ、大型トラックを中心に軸重、総重量の超過を計測・摘発した。福岡県警はXへの投稿で「過積載はブレーキ性能の低下や横転の原因になります」「大型車両事故が多発しています。安全運転をお願いします」と注意喚起している。投稿にはトラック荷台の重量計測器と超過警告の表示が写っており、「今まさにやっている」「首都高でも軸重超過が多い」といった反応とともに拡散が続いている。
筑後地区は農産物や工業製品の物流が集中し、過積載が起きやすい地域だ。Xでは「今日の取締りでルート変更した」「罰金で赤字になる」といったドライバーの投稿も見られ、現場の緊張感が伝わってくる。
過積載が引き起こす連鎖リスク
過積載の問題は法令違反だけではない。重量増加によって制動距離は通常の2倍以上に伸び、追突やスリップの原因になる。重心が高くなることでカーブで横転しやすくなる。タイヤへの過負荷は劣化を加速させてバーストを起こし、走行不能や後続車を巻き込む事故にもつながる。軸重超過は道路舗装を傷め、渋滞や補修費用の負担にもなる。
国土交通省の統計では、過積載違反は年間数万件に上り、トラック事故の10-15%に関与しているとされる。検挙された車両は即時運行停止となるため、荷主の納期遅れや代替車手配のコスト増など物流全体に影響が出る。
今回の取り締まりが注目を集める背景には、時間外労働の上限規制がある。年960時間の上限によって運行回数が減る中、1回あたりの積載量を増やそうとする圧力が現場にかかっている。運賃の低迷も「無理積み」の背景にある。
Xでは「運賃が安くて積まざるを得ないけど、横転したら終わり」「首都高の軸重超過警告も出ている。みんな気をつけろ」といった投稿が相次ぎ、安全意識の高まりと現場の板挟みが同時に見えてくる。
対策の動きも出てきている。積載量計測アプリの導入や運行前チェックリストの整備を進める事業者が増えているほか、自動積載量センサーの車両搭載も選択肢として広がりつつある。ただ根本的には、荷主との交渉で適正な運賃を確保することが欠かせない。行政側も取締り強化に加え、安全教育への支援拡充が求められる。
過積載は「1回多く積めば効率的」という判断が、ブレーキ不良や横転といった重大な事故につながる。今日の福岡県警の取り締まりとXでの拡散は、現場のリスクを改めて示している。
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