ロジスティクス4月に義務化が迫る「CLO」(物流統括管理者)制度。荷主企業の経営層にとって喫緊の課題だが、その実装を巡っては「誰が、どこまで担うのか」という根本的な問いが残る。物流部門だけでなく調達・生産・販売を横断して統括する重責を一人に集中させれば、機能不全に陥るリスクがある。(編集長・赤澤裕介)
管理職の負担増大は物流業界に限った話ではない。HRサーベイのシーベース(CBASE、東京都新宿区)がビジネスパーソン230人を対象に実施したリーダーシップ調査では、「リーダーは1人でチームを引っ張るべき」という考えに共感しない回答が65.6%に上った。「管理職の罰ゲーム化」という言葉が広がるなか、一人に責任を集中させるモデルへの疑問は業種を問わず強まっている。
同調査では、チーム全員が状況に応じてリーダーシップを分担し合う「シェアード・リーダーシップ」の導入に前向きな回答が59.5%を占めた。部下がリーダーシップを発揮することを「歓迎する」とした上司も79.7%に達した。ただし、役職に関係なくリーダーシップを発揮できる雰囲気が「ある」とした職場は40.7%にとどまり、意識と実態の間に大きな溝がある。
この構図はCLO制度にそのまま重なる。物流改革の旗振り役としてCLOを任命しても、調達部門は調達の論理で動き、営業部門は納期最優先で物流にしわ寄せする、という縦割りが残ったままでは、CLOが一人で全社のサプライチェーンを動かすことは現実的に難しい。
実効性あるCLO制度に必要なのは、各部門の責任者がサプライチェーン上の自分の領域でリーダーシップを発揮し、CLOはそれを束ねる「指揮者」として機能する体制だろう。物流コスト、リードタイム、環境負荷といった指標を部門横断で共有し、それぞれの現場が自律的に改善を回す仕組みがあって初めて、CLOの役割は形骸化を免れる。
すべてを一人で背負う「強いリーダー」ではなく、組織全体で物流改革を分担する発想への転換。制度のスタートを目前に控えた今、荷主企業が問われているのは、CLOを「置く」ことではなく、CLOが「機能する」組織をどうつくるかだ。
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