サービス・商品Hacobu(ハコブ、東京都港区)は19日、生成AI(人工知能)を活用して物流現場の多種多様なアナログ情報をデジタル化するソリューション「MOVO Adapter」(ムーボ・アダプター)を20日にリリースすると、同社主催イベントの中で明らかにした。企業内に眠る膨大なアナログ情報を統合データ基盤としてAIに学習させ、意思決定を支援する「プライベートAI」の構築を加速させる。
ムーボ・アダプターは、アナログ情報をデジタル化するツールとして知られる「従来のOCR(光学文字認識)とは一線を画す」技術だ。従来のOCRでは、帳票ごとに文字の位置を指定する座標定義が必要で、「導入コストや運用の手間が課題」となっていた中、ムーボ・アダプターは生成AIが文脈を理解し、定義なしで「届け先」や「品名」などの意味を抽出する。
同社の岡幸四郎執行役員CPOはイベント内のセッションで、二重線で修正された住所や、欄外に手書きされたドライバー名、車番、運賃などの情報を正確に読み取るデモを披露。「サンプルの提示だけで短期間に利用を開始できる」迅速さと、生成AIの利用コスト低下に伴う「安価な提供価格」を強みとして挙げた。
戸井田裕貴執行役員CTOは、ムーボ・アダプターが25年8月に社内でプロトタイプを完成させてから、わずか3か月程度で製品化にこぎ着けたエピソードを紹介。開発者が現場に同行して課題を直接吸い上げる風通しの良さが、机上の空論ではない実用的なソリューションの迅速な社会実装を支えているという。

▲(左から坂田優取締役執行役員COO、戸井田裕貴執行役員CTO、岡幸四郎執行役員CPO
イベントでは、このほかにも現在開発中のソリューションが紹介された。配車担当者の電話内容をリアルタイムで文字起こしし、システムへ自動連携する機能や、配送契約書をアップロードして運賃条件を一元管理する「配送契約書管理」(仮称)などだ。請求書と実績データをAIが自動照合する「請求管理システム」(仮)も披露された。戸井田CTOは、現場が目視による突合作業に追われる実態を指摘し、人がやるべきではない業務をAIが代替する、と開発の意義を強調した。
坂田優取締役執行役員COOは、世の中のパブリックなAIが持つ情報は全体のわずか1%に過ぎず、残りの99%は企業内にアナログ、デジタルの形で眠っていると分析する。この99%の情報を統合データ基盤としてAIに学習させることで、自社の商慣習や過去の取引実績に基づいた会社独自のAI活用が可能になるという。同社が持つ物流ビッグデータと、各社専用のプライベートAIを掛け合わせ、最適な運賃の提案やドライバーへの自律的な連絡、調整を行う世界を目指す方針だ。(菊地靖)
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