拠点・施設フェデックス(米国)は11日、台湾・桃園国際空港の貨物積み替え施設を拡張し稼働を開始したと発表した。台湾での35年間の事業で最大の単一投資となる。AI(人工知能)サーバーや半導体の航空輸送需要が急増するなか、アジア太平洋の貨物ハブ機能を強化する狙いだ。(編集長・赤澤裕介)

▲桃園国際空港トランシップメントセンター拡張のテープカット式(出所:フェデックス)
桃園空港は国際空港評議会(ACI)の24年ランキングで世界10位の貨物空港で、取扱量は227万トン。台湾が世界の半導体生産の8割以上を担うなか、AIサーバー関連の荷動きが旺盛で、2024年の貨物量は前年比7.5%増と3年ぶりに増加に転じた。桃園は台湾北部の半導体集積地に直結し、米中摩擦を背景にした供給網の再編でも中継拠点としての重要性が増している。
新施設の延床面積は1万9000平方メートルで従来の2倍。自動仕分けシステムを導入し、1時間あたり最大9000個の貨物を処理する。危険物や温度管理が必要な貨物にも対応し、半導体など高付加価値品の輸送で求められるリアルタイム追跡やセキュリティー機能も強化した。

▲フェデックス桃園ハブ拡張の主要仕様
欧州便増強、広州ハブと連携拡大
台湾と米国、欧州、アジア太平洋を結ぶ週40便が新施設を支える。アジア-欧州間ではパリの欧州ハブへの便を週5便追加し26便体制とした。25年には韓国、ベトナム、台湾を結ぶ新航空路線を開設し、広州のアジア太平洋ハブとペナン、バンコクなど東南アジア主要都市との接続も拡大している。

▲フェデックスの台湾発着ネットワーク拡充
アジア太平洋地域社長のサリル・チャリ氏は「企業は変化する物流環境に対応できる強固なインフラを求めている。今回の拡張はサプライチェーンの回復力を高める投資だ」と述べた。
フェデックス、DHL、UPSの3大インテグレーターはいずれもアジアのハブ整備を加速しており、AIサーバーや半導体を軸にした航空貨物の争奪戦が激しさを増している。桃園への大型投資は、フェデックスがアジアの半導体サプライチェーンに深くコミットする姿勢を示すものだ。
新施設の面積は約1万9000平方メートルで、従来施設の約2倍。自動仕分けシステムを導入し、1時間あたり最大9000個の荷物を処理できる。従来施設と比べ、輸入は約2.5倍、輸出は約1.2倍の効率向上を見込む。
速達小包や貨物のほか、危険物やコールドチェーン貨物など特殊貨物の取り扱い能力も強化。半導体やハイテク製品、電子商取引関連貨物など台湾の主要輸出産業の物流需要の拡大に対応する。

▲拡張したトランシップメントセンター(出所:フェデックス)
施設では地上支援機器を完全電動化し、電動貨物タグの導入により1台あたり1日21-26キログラムのCO2排出削減を見込む。空港内の充電インフラと組み合わせ、騒音低減と運用効率の向上も図る。
同社は1990年に桃園国際空港での業務を開始。現在は台湾全土で10のワールドサービスセンター、9拠点のステーション、400台以上の車両を運用し、米国や欧州、アジア太平洋地域を結ぶ週40便の航空ネットワークを展開している。今回の拡張により、台湾を拠点とした国際サプライチェーン機能の強化を進める。
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