話題首都圏北東の物流不動産は、いまや「広さ」より「回転」で選ばれる。ECの波と2024年問題が背中を押し、評価軸は近さに「備え」が加わった。千葉県柏市で完成予定の野村不動産「Landport柏II」は、その変化にきちんと照準を合わせている。常磐道・柏ICから1.4キロ。6階建てのダブルランプと1階両面バースで流れを詰まらせず、免震に特別高圧の複数回線受電まで揃えてBCPも厚い。「立地と設計、スペックの三拍子揃った物件を、このエリアに出したかった」と担当者は語る。

▲現在工事中のLandport柏II
柏の物流施設は供給増で競争が濃くなり、荷主には選択肢が増えた。そのぶん開発側は、図面の美しさだけでなく「どう回るか」を言葉で立ち上げる力が問われる。Landport柏IIの売りは三枚看板。「柏ICから1.4キロの近さ」「ダブルランプと1階両面バースの動線」「免震を核にした三重のBCP」だと語る。
「ICから1.4キロ」が意味する、物流現場の時間革命
2024年問題で拘束時間のタガが締まり、現場は「1分1秒」が利益を削る。回転数を守るなら、走る時間を短くするしかない。そんな折、Landport柏IIは常磐道・柏ICから1.4キロの距離だ。「拘束時間の規制が強まるほど、拠点選びは「ICから何キロかが決め手になる。5キロと1.4キロの差は、年単位で労働時間と走行距離を押し上げ、利益を削る。さらに敷地直結の新道路で入出庫しやすく、大型車でも詰まりにくい。近さに加えて待機まで削れる場所が必要だ」と担当者は語る。
常磐道は首都圏北東を走る大動脈で、柏ICはその入り口だ。三郷JCTから都心へ約30キロ。外環を回せば埼玉・神奈川へも抜け、北は茨城、栃木、福島まで射程に入る。国道6号と16号にも手が届き、配車の地図が一枚で描ける。翌日も当日も、勝負を決めるのは時間と届く範囲だ。「都心、北関東、千葉県内の地場配送を一拠点で回せる場所は多くない。ICから1.4キロという近さが、同じ労働時間で運べる範囲を広げる」と担当者は語る。
ダブルランプと両面バースが解く、マルチテナントの課題
Landport柏IIは、6階建てのダブルランプで待ち時間の削減を図った設計となっている。建物の左右にランプを配し、トラックが各階へ直接乗り入れられる。「スムーズな入出荷のテンポを実現できる」と担当者は語る。朝の入荷と夕方の出荷が重なっても、隣に振り回されず自社のテンポで回る。マルチテナントでも専用施設に迫る効率を狙った。1階は両面バースで、右で受けて左で送り出す。片側が詰まっても、もう片側は流れる。柏IC至近の立地と左右分業で、「待ち」と「走り」を同時に削るという。

▲スムーズな入出荷を可能にするWランプ
経営リスクを臨機応変に削減
EC需要の拡大で繁閑差が増し、固定的な大規模区画は閑散期の負担、拡張余地の不足は機会損失につながる。Landport柏IIは天井高(1階6.5メートル、2〜5階5.5メートル)と床荷重1.5トン/平方メートルで、重量物や自動化設備にも対応する。
「無人フォークリフトや自動ピッキング、AI在庫管理など、省人化の波はもう後戻りしない。Landport柏IIは、その先の投資まで見越した骨格を備えている」とも語る。1フロア約4,500坪は、約2,200坪×2に割っても使える。「まず小さく、波が来たら広げればいい。区画が拡張できるので、業務拡大が可能です」と担当者は語る。
免震が「現場を止めない」を約束する、BCPの最高峰
東日本大震災以降、物流施設のBCPは「備えて当たり前」になった。荷主が求めるのは、揺れのあとも現場が止まらない倉庫だ。Landport柏IIは免震でその要求に応える。免震はゴムなどで力を受け流し、壁や設備、荷物の損傷を抑えやすいという。
担当者は免震の利点を3点に整理する。建物・設備の損傷を抑えて復旧を早めること。荷崩れを防ぎ、破損と片づけの手間を減らすこと。現場で働く人の安全を守ることだ。「免震はいまやあると安心ではなく、「ないと選ばれない」条件。ここに預けることが取引先のBCPを厚くする」と担当者は語る。停電対策も万全だ。特別高圧を複数回線で受電し、大容量を安定確保するとともに、片系統が止まっても予備回線で停電リスクを抑える。
非常用発電72時間、三重の備えが現場を守る
受電の「器」にも余白を残した。全館空調対応分のキュービクルを用意し、マテハンや温度帯、空調などの増設に柔軟に対応できるという。さらに72時間運転可能な非常用発電機を備える。「最初の3日間をしのげれば、保管も出荷も止まりにくい。温度管理が必要な荷物にとって、電源は生命線だ」と担当者は語る。「免震、72時間発電、特別高圧の複数回線受電の3枚の盾で、非常時も操業を止めにくい設計だ」と説明する。
半径5キロ圏6.1万人、採用力を支える人口の厚み
物流の現場は、人が足りない。倉庫がいくら立派でも、働き手がいなければ回らない。周辺では施設が増え、採用は椅子取りゲームの様相だ。そんな中、Landport柏IIの足元にある柏はベッドタウンの懐の深さで、人材の母数が頼もしいと担当者は語る。

▲柏駅周辺を空から(出所:柏市)
「半径5キロ圏の労働人口は約6.1万人。野田の約6倍です」と担当者。供給増で採用競争が激しい周辺に比べ、柏は「採れる母数」が違うという。さらに柏市は2035年まで人口増が見込まれ、つくばエクスプレス沿線の住宅供給拡大で、採用の裾野も広がる。
通勤の足回りも抜かりない。柏の葉キャンパス駅からシャトルバスを予定し、物件近くの路線バス停からは江戸川台駅と柏の葉キャンパス駅へ約8分で出られる。6階にカフェテリアと無人コンビニを備え、館内で軽食も調達できる。昼休みの外出ロスを減らし、働きやすさと定着を支える設計だ。
立地・設計・スペックの三位一体が生む競争力
首都圏の物流倉庫は数こそ増えたが、「立地・設計・スペック」が同じ床にそろう物件は案外少ない。近いが古い、強いが遠い。そんな隙間を、Landport柏IIはきれいに埋めたと担当者は語る。
千葉県北西部の柏は人口43万人。周辺まで広げれば商圏は100万人規模に達する。つくばエクスプレス沿線の集積も追い風で、拠点選びの決め手は「時間」と「届く半径」だ。柏ICから1.4キロの近さが、配送の地図を塗り替える、と担当者は語る。
物流拠点は「運ぶ箱」から「稼ぐ現場」へ。柏ICから1.4キロ、幅員22メートルの新道路、ダブルランプと1階両面バース、免震に特別高圧の複数回線受電、72時間運転可能な非常用発電まで揃うLandport柏IIは、動線と備えを一枚に描いた「回る倉庫」だと担当者は語る。
























