拠点・施設横浜ゴムは31日、フィリピンの乗用車用タイヤ生産販売会社「ヨコハマタイヤ・フィリピン」(YTPI)の生産能力を、第1次拡張として現在の年間700万本から同1000万本に引き上げると発表した。
2月に現在のタイヤ工場隣接地の借用契約を結び、新タイヤ工場の建設をスタート、13年から第1次拡張の操業を開始し、14年からフル生産に入る。第1次の投資額は200億円。第2次として14年までに1300万本に引き上げるための投資を実施し、17年をめどに、1700万本体制まで能力を引き上げる計画。総投資額は累計500億円を見込む。
新たに生産するタイヤは主に北米市場を中心に輸出する。今回、新たに30万平方メートルの土地の借用契約を結ぶことで、YTPIのタイヤ工場敷地面積は現在の2.8倍に相当する46万平方メートルになる。
YTPIは96年、輸出向け乗用車用タイヤの生産拠点として設立された。現在、内径13-18インチの乗用車用タイヤ、SUV用タイヤを生産し、その大半を欧州、北米、ASEAN諸国に輸出しており、北米、アジア諸国の各自動車メーカーにも納入している。これまで3期にわたる拡張計画で、現在の工場敷地内でのこれ以上の増産は困難になっていた。
現在横浜ゴムは、国内の新城南工場、中国の杭州横浜輪胎有限公司、タイのヨコハマラバー・マニュファクチャリング・タイ、米国のヨコハマタイヤ・コーポレーションで工場拡張を進めているほか、11年度中の操業をめどに、ロシアにタイヤ工場の新設工事に取り組んでいる。この結果、11年度末のグループ全体のタイヤ生産能力は年間6000万本に達する見込み。