ロジスティクス物流現場の熟練者が長年培ってきた「経験と勘」というアナログな手法が、いよいよ限界を迎えている。オランダのロケーションテクノロジー企業、TomTom(トムトム)の日本営業責任者である田中秀明氏は15日、深刻な労働力不足に直面する物流業界に対し、客観的な数値で渋滞や遅延といった「不確実性」を排除することの重要性を語った。

▲トムトムの田中秀明日本営業責任者
田中氏は、最新の交通分析レポート「TomTom Traffic Index 2025年度版」の説明の席で、データ活用による運行管理のアップデートを提言した。同社が世界54か国から収集した計3.65兆キロ超の走行データは、いわば「世界の道路のデジタルコピー」だ。リアルタイムの交通状況を精緻に把握することで、どのルートが、なぜ遅れるのかを可視化できる。これこそが、持続可能な運行管理を実現するための鍵になると同氏は指摘する。
国内の交通状況では、熊本市の深刻な渋滞が注目されている。TSMCなどの半導体工場の進出に伴う車両急増の結果、同市の渋滞レベルは56.7%に達した。これは国内ワースト1位であり、アジア全体で見ても13位という記録的な水準だ。
また、走行履歴データを活用した社会課題解決の事例も示された。秋田市の水害時に交通量の途絶から浸水を検知した実績や、沖縄のテーマパーク周辺での5分更新の案内サイト公開など、自治体と連携した安全確保の取り組みが進んでいる。
物流は経済の血流であり、その停滞は社会全体の損失に直結する。田中氏は、デジタルへの転換がドライバーの労働環境を守り、持続可能な物流を実現するための助けになると強調した。データを活用して運行の透明性を高めることは、物流企業が直面する「2024年問題」などの諸課題を解決するための確実な一歩となる。(菊地靖)
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