ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

郵政部会中間答申に「本質的な問題に取り組む意志感じられない」

ヤマト、外形基準見送りに「生活者視点欠如」と反発

2014年3月13日 (木)

ロジスティクスヤマトホールディングスとヤマト運輸は13日、総務省情報通信審議会郵政政策部会の中間答申に対する見解を発表した。

ヤマトHDは昨年12月12日の郵政政策部会で、「生活者の視点に立った信書規制の改革案」を提出し、「外形基準」の導入による信書規制の改革を求めたが、12日に郵政政策部会が発表した中間答申では「周知活動を推進することで対応していくことが妥当」として、同社の提案を退けた。

これを受け、同社は「生活者が不便や不安にさらされている現状を認めることもなく、信書規制の本質的な問題に取り組む意志もまったく感じられず、大変残念。規制緩和から成長戦略へという流れからも程遠い内容であり、これではいったい誰のための答申なのか分からない」と厳しく批判した。

同社は13日に発表した「見解」の中で、現行の信書規制の本質的な問題は、「何が信書にあたるのか分かりにくい」にもかかわらず、郵便か信書便以外の手段で信書を送った場合、送り主と運送事業者の双方に最大で「懲役3年または罰金300万円」が科せられる罰則規定が存在していることにある、と指摘。

中間答申で示された対応について、「信書の概念は曖昧なものであるため、周知活動によって解決されるものではない」と反論し、総務省が03年から「信書に該当する文書に関する指針」や「信書に該当する文書に関する指針Q&A集」を公表して周知活動を行っているにもかかわらず、「送り主が信書と思わずに宅配便やメール便で送った荷物が実は信書であると受取人から告発され、郵便法違反で書類送検される事例は増えている」として、周知活動による対応では解決できないとの考えを強調した。

同社はこの問題について「生活者は誰もが容疑者になるリスクにさらされており、便利なサービスを安心して利用できない環境におかれている」とも表現しており、より明確な基準へと今後見直していくという意志が示されなかったことに「郵政政策部会は、生活者のリスクをなくすことよりも、制度を守ることを優先した。この結論には生活者の視点が欠如しており、理解に苦しむ」と強い調子で非難。

さらに、中間答申が「外形基準の導入を含め、信書規制のあり方を今後検討するという可能性すら示さなかった」ことに対し、「生活者視点の規制改革を実現するために議論の継続を求める」と主張し、今後も信書規制改革に関する議論と外形基準の導入の検討を継続するよう要求した。