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AIで考え、人・設備とともに成長するCOOOLa WES

ブライセン、WESを「考える物流の頭脳」へ

2026年8月28日 (金)

話題物流現場の自動化が進み、AGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)、自動倉庫など、選択できる機器は増え続けている。一方で、自動化設備を入れれば、それだけで倉庫全体が最適化されるわけではない。物量は日々変動し、人員も設備の稼働状況も一定ではない。数年後には、より性能の高い新たな設備への更新も必要になる。

こうした変化を受け、ブライセンは倉庫実行システム「COOOLa WES」を、設備を制御するシステムから、物流現場全体を「考える頭脳」へ進化させようとしている。

同社がWESを提案するなかで増えてきたのが、「今回の自動化だけで終わらせたくない」という相談だ。別拠点にも仕組みを展開したい、将来登場する新たなマテハンも利用したい。そうした要望に応えるには、導入時に決めた設備とワークフローを動かすだけの「静的なシステム」では不十分だと判断した。

AI・DXアクセラレーション本部副本部長の山川隆一氏は、「どうあるべきかを考えながら、進化に追従しなければWESとして成立しない」という。そこから「考える=進化する」という新たなCOOOLa WESの方向性が生まれた。

(クリックで拡大 出所:ブライセン)

WESの役割は、「中間管理職」から「所長」へ

従来のWESは、WMS(倉庫管理システム)とWCS(倉庫制御システム)の間に位置し、決められたワークフローに沿って人や設備の動きを管理する役割として語られることが多かった。

ブライセンが目指すのは、その役割をさらに一段引き上げることだ。

例えばピッキング工程に滞留が発生した場合、COOOLa WESは稼働率やタスクの処理状況をリアルタイムで監視し、想定する波動を超えた箇所をヒートマップやアラートで示す。そのうえで、適切な人員を別工程から回す、あるいは余力のある工程からAGVやAMRを再配置するといった改善策を提示する。

さらに、その対策を実行した場合に現場がどう変わるかを事前にシミュレーションする。

これまでWESがいわば現場の「中間管理職」だったとすれば、AIを取り込んだCOOOLa WESは、全体を見ながら人と設備を差配する「所長」に近い存在になる。リアルタイムで現場を見て、即座に解決策を提示できる指揮官として機能する。

▲山川隆一氏

ただし、AIに現場を全面的に任せる考えではない。

AIは改善策を示唆し、「この方法ならこうなる」と提示する。最終的に実行するかどうかを決めるのは現場責任者だ。AIの判断を完全に保証することはできない以上、「最後は人が決める」という方針は今後も変えないという。

山川氏は「AIそのものは差別化にならない」と言い切る。重要なのは、どんなデータを与え、どう学習させ、どのアウトプットを正解と判断するかという使い方だ。

ブライセンは、物流だけではなく自動車の自動運転技術、先進運転支援システム領域などで10年以上培ってきたデータマネジメント技術を持つ。意味を持たないデータをAIが学習できる形へ整え、精度を評価する技術をWESへ集約する。「AIを使うプロフェッショナル」としての蓄積を物流へ持ち込む考えだ。

ただ、「考える」だけでは現場は動かない。そこで必要になるのが、AIの判断を安全に実装しながら、将来の変化にも追従できるシステム基盤だ。

(クリックで拡大 出所:ブライセン)

いまを止めず、将来にも備える2層構造

その基盤となるのが、クラウドとエッジを組み合わせた2層アーキテクチャである。

倉庫内設備を直接動かす制御は、現場側のエッジで完結させる。クラウドを経由して設備を制御すれば、通信遅延が現場の事故や停止につながる可能性があるためだ。

一方、AIの学習やモデル更新、複数拠点の状況把握など、即時性を求めない処理はクラウド側で担う。

AIの学習には大きな演算能力が必要となる。それを各物流拠点に個別導入するより、クラウド側で担わせることで設備投資を抑えながら高度な分析を利用できる。また、1拠点で得られた学習成果を別拠点へ展開することも可能になる。

つまり、止めてはいけない「いま」の設備制御はエッジ、拠点を越えた「将来」の改善につながる学習はクラウド。その役割分担によって、日々の安定稼働と継続的な進化を両立する。

そして、変化に追従するという発想は、AIの処理基盤だけにとどまらない。

数年後に別のロボットを導入したい、既存設備は残したい、あるいは一部工程だけから始めたい。利用企業の事情が変わっても、システム側がその選択肢を狭めないことが必要になる。

将来の選択肢を残す「つながる力」

その考え方を象徴するのが、設備メーカーを限定しないCOOOLa WESの設計だ。

自動化設備は、一度導入したら永遠に同じものを使うわけではない。より適したAGVやAMRが登場すれば切り替える可能性もあり、複数メーカーの設備を組み合わせることもある。

COOOLa WESは、特定メーカーの機器を前提とせず、AGVやAMR、映像システムなど、接続情報を得られる機器とは原則として連携する方針を取る。

接続実績のある特定メーカーに限定した方が、ベンダーにとっては低コスト・短納期で提供しやすい。しかし、それではユーザーが将来設備を入れ替える際の選択肢を狭めかねない。

ブライセンが優先するのは、「いま一番つなぎやすい設備」ではなく、利用企業が将来も設備を選び直し、成長できる環境だ。

WESを設備メーカーから切り離しておけば、ロボットを更新しても、その上位にある全体最適の考え方まで作り直す必要はない。

そして「選択肢を狭めない」という姿勢は、新しい設備を自由に選べることだけを意味しない。すでに持っている設備やシステムを、無理に捨てなくていいことも含まれる。

(クリックで拡大 出所:ブライセン)

新しくするために、古いものを捨てない

DXや自動化では、ともすると「古いものを何に置き換えるか」が出発点になりがちだ。

ブライセンはそこに疑問を投げかける。

「古いものを捨てることをスタートラインにすると、これまでのノウハウや現場の人たちまで切り捨てることになる」。全面刷新が本当に必要なのかをまず考える。

実際、ある出版社では、35年ほど前に開発されたCOBOLベースのシステムで自動倉庫を制御していた。システムは古く、操作も属人化していたものの、自動倉庫そのものは引き続き利用したいという要望があった。

そこでブライセンは、AIなども活用しながら既存システムを解析・モダナイズし、新たなWMSと接続。さらにWES的な制御機能も付加したという。ソフトウェア開発会社としての技術基盤を持つブライセンだからこそ提示できる庫内運用の見直しだ。

全面刷新ではなく、「残せるものは残し、変えるべきところを変える」。

メーカーを限定しない設備連携も、レガシーシステムの活用も、根底にある考え方は同じだ。現在の設備や投資を無駄にせず、その先の変化にも対応できる余地を残す。COOOLa WESは、現時点の最適解を固定するのではなく、次の選択肢へつなぐ土台として設計されている。

この考え方をさらに小さな単位に落としたのが、「WESスモールパッケージ」だ。

全面刷新だけが正解ではない

ブライセンが提案を強化する「WESスモールパッケージ」は、大規模なWES導入を前提としない。

例えば搬送管理だけなど、必要なコア機能から導入し、効果を確認しながら段階的に機能を追加していく。

どのマテハン、どのロボットを使うかを自動化の入り口とする事業者には、まだWESそのものの意義まで浸透していないのが実情だ。特に中小製造業や工場では、自動化への関心があっても「自社には高すぎる」「誰に相談すればいいか分からない」といった理由で、検討そのものに至らないケースも多いという。

近年は政府の補助金制度も追い風となり、地方の中小工場での導入が進みつつある。補助金を活用して小さく導入した企業が効果を実感し、そこから段階的に機能を広げていくケースも増えているという。

つまりは、いきなり倉庫全体を作り替えるのではなく、困っている工程から始める。

必要な部分から導入し、設備や工程を追加し、やがてAIによる最適化へ広げていく。小さく始めることと、小さなシステムで終わることは違う。

これは、既存設備を残しながらモダナイズする発想とも同じである。

「すべてを一度に変えなくていい。ただし、次に変えられるようにしておく」

クラウドとエッジの使い分け、メーカー非依存の設備統合、レガシー資産の活用、スモールスタートは、それぞれ独立した機能ではない。いずれも、利用企業の現在の事情を受け入れながら、将来の成長余地を残すための設計思想から生まれている。

ロボットを「買う」のではなく、ともに考える「伴走者を選ぶ」

ブライセンが最終的に目指すのは、COOOLa WESを庫内だけのシステムにとどめないことだ。

WMS、ヤード管理、基幹システムなどと連動し、物流・製造現場全体をオーケストレーションする。その先には、サプライチェーン全体の最適化や、物流データを経営判断へつなげる役割を見据える。

だからこそ同社が警戒するのが、自動化設備を「お買い物感覚」で選ぶことだ。

「このロボットを買えば効率化できる」。そうした設備起点の発想では、導入した瞬間がゴールになりかねない。しかし物流現場は、物量も人員も設備も変わり続ける。今日の最適解が、数年後も最適とは限らない。

求められるのは、何を買うかではなく、どのような物流を実現したいのかを描き、その変化に合わせて仕組みそのものを育てていく視点だ。

ブライセンが目指すのも、システムを売って終わるベンダーではない。顧客の将来像を共に考え、既存設備を生かすべきか、新たな設備を加えるべきか、小さく始めるべきかまで含め、その時々の最適解を探りながら成功へ導く「伴走者」としての立ち位置である。

そして、その思想はCOOOLa WESそのものにも重なる。

AIが一方的に答えを決めるのではなく、現場の状況を日々見つめ、異変を知らせ、改善策を示し、「こうしたらどうなるか」を一緒に考える。最後に決めるのは人であり、WESはその判断を支え続ける。

システムを買わせて終わるのではなく、導入後から本当の付き合いが始まる。ブライセンが利用企業の成長に寄り添う伴走者であるように、COOOLa WESもまた、現場の隣で日々考え、ともに学び、ともに成長していく「物流の伴走者」を目指している。

ブライセン 「国際物流総合展2026」出展のお知らせ

展示会概要
・展示会名   :国際物流総合展2026
・会期     :2026年9月8日-11日 10時-17時
・会場     :東京ビッグサイト(東京国際展示場)
・小間番号   :W3-C22

公式サイト
https://www.logis-tech-tokyo.gr.jp/ltt/

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