荷主水循環システムを開発するWOTA(ウォータ、東京都中央区)は19日、令和8年熊本地震で進める生活用水支援について、全国44自治体・2団体から水循環型シャワー「WOTA BOX」と手洗いスタンド「WOSH」の計140台を熊本県内に集約したと発表した。災害時の生活用水資機材の広域互助を担うJWAD(Japan Water Association for Disaster)の仕組みを活用したもので、8月17日時点で43台を避難所などへ実際に配備している。3台は今後の配備・入れ替えを予定し、1台は故障のため整備中で、93台は今後の需要変化や新たな支援要請に備えて待機している。
WOTAは7月29日に現地入りし、翌30日に熊本県から正式な要請を受けて支援を開始した。31日には徳島県など6自治体からWOTA BOX8台が到着し、全国からの機材集約が本格化。8月6日には石川県、珠洲市、七尾市から計32台が届くなど、県境を越えた資機材輸送が進んだ。8月5日時点では、行政から正式に要請・確定していた避難所需要をおおむねカバーしたという。

▲自治体から貸与された「WOTA BOX」が運用されている様子(出所:WOTA)
一方、初動時には避難所に加え、医療・福祉施設などでも100台を超える需要が確認されていたものの、一部支援について災害救助法などによる公費負担の対象として整理できないことが判明した。このため、8月10日ごろまでは制度適用の確認と企業協賛、クラウドファンディングなどによる代替財源の確保を並行して進め、本格展開に時間を要した。11日から民間支援を活用して展開を拡大し、17日時点では確認済みの医療・福祉施設などの需要を概ねカバーしたとしている。

▲全国自治体等が保有する機材が熊本県内の倉庫に集約された様子(出所:WOTA)
8月17日時点の医療・福祉・児童・保育施設などへの展開は41施設で、WOTA BOX45台、WOSH53台。避難所などを含むWOTA BOXの累計設置台数は142台となった。さらに18日時点では、評価対象109台のうち96台、88.1%が、現地の自治体や施設運営者などを中心とした「自律運用」に移行している。

▲保育施設へ導入されたWOSHで手洗いをする様子(出所:WOTA)
物流面では、熊本市の協力で8月1日に県域の展開拠点となる倉庫を確保し、全国から到着する機材の受け入れと配備体制を構築した。3日には自衛隊による輸送で100台近いシャワー機が熊本市内の倉庫に到着した。今回の対応では、機材そのものだけでなく、保管、輸送、給水、設置先での受け入れ、継続運営までを一体で整える必要性が浮き彫りになった。
全国からの機材集約は進んだ一方、公的な費用負担の対象範囲と現場需要の変化によって、多数の機材が待機する状況も生じた。WOTAとJWADは今回の対応を踏まえ、災害時に資機材の輸送・配備だけでなく、公的支援制度や民間資金まで円滑につなぐ仕組みを平時から整理する必要があるとしている。
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