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米国の最終組立拠点までの安定した輸送システムが完成

ボーイング、中部空港で787型の部位保管庫が稼働

2014年3月19日 (水)

拠点・施設米国ボーイングは18日、中部国際空港に建設した787型機の部位保管庫「ドリームリフター・オペレーションズ・センター」(DOC)の稼動を本格的に開始すると発表した。

同社は、米国シアトルとチャールストンにもDOCを設置しており、両施設は昨年末に稼動。米国外では中部空港が初めてで、パートナー企業の三菱重工業、川崎重工業、富士重工業の3社が中部地区で製造する787型機の部位を一時保管する目的で建設した。

2012年4月に設置を決定し、同年7月に着工して13年2月に完成、その後テストを繰り返し、本稼動の開始に至った。787型機の部位は、これまで重工各社がドリームリフター(787型機部位輸送専用機)の飛来スケジュールに合わせ、海路で中部空港に搬入、機体の最終組立地となるシアトルやチャールストンのボーイング施設に輸送するシステムで運用していた。

しかし、天候不順など中部空港へのオンタイム搬入が困難な事態も想定されることから、より安定した輸送システムの確立を目指し、その取り組みの一環としてDOCの設置を決めた。DOCの本格的な運用開始で、部位はドリームリフターの運航スケジュールに合わせることなく事前に中部空港に搬入することが可能となり、天候などを考慮せずに安定した効率性の高い輸送システムとして運用する。

同社は787型機の機体構造の35%を日本企業が担当することから「Made with Japan」の航空機と表現しており、日本の重工各社が中部地区で製造しているのも主翼、前胴部、中央翼と機体構造にとって重要な部位となっている。日本からの安定した輸送システムの完成は、これまでに60社以上から1031機を受注し、908機の受注が残っている787型機プログラムにとって、「航空市場の期待に応え、月産12機、さらには14機へとの増産計画の実現に向けた大きな前進となる」と評価。日本から調達する製品、サービスについて、同社は18年までに320億ドル以上となることを見込んでいる。