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ボーイング、中部国際空港にB787専用部品輸送拠点

2012年4月16日 (月)

ロジスティクスボーイングはこのほど、中部国際空港との間でボーイング787型機の部品輸送を円滑に実施するため、中部国際空港内に「ドリームリフター・オペレーションズ・センター」を設置することで合意、契約を締結したと発表した。

 

ドリームリフターはボーイング747-400型旅客機からの改造機で、各国で製造された787型機の主要部位を米国内の最終組立地まで輸送する。現在、4機のドリームリフターが運用されているが、中部国際空港はドリームリフターが運航する国内唯一の空港となっている。

 

ボーイングの787ドリームライナーは、3月時点で世界の航空会社60社が870機以上を発注、民間航空機史上最速で受注数を増やしている民間航空機プログラム。

 

ボーイングではこの需要に対応するため、月産の製造機数を2013年末までに10機にする計画で、体制作りの一環として同センターの設置を決めた。

 

ドリームリフター・オペレーションズ・センターでは、ボーイング787の部品を「ドリームリフター」に搭載するためのGSE車両(グランドハンドリング機材)である「ラージ・カーゴ・ローダー」(LCL)、「モバイル・テール・サポート」(MTS)を屋内に保管するほか、三菱重工業、川崎重工業、富士重工業の各工場から海上輸送されるボーイング787型機部位をドリームリフターに搭載するまでの間、一時的に保管する。

 

ボーイングジャパンのデントン社長は「787ドリームライナーは、機体の35%を日本企業に担当していただいているメイド・ウィズ・ジャパンの航空機だ。増産するためには、日本で製造した部位を遅延することなく、スムーズに最終組立地まで輸送するシステムの構築が必要不可欠な要素となっている。今回の契約締結で、月産10機体制に向けて大きく前進する」と語った。

 

また、中部国際空港の川上社長は「ドリームリフター・オペレーションズ・センターの整備は、この地域がアジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区で促進を図っている航空産業の発展に貢献するものであり、シー&エアが可能な社会インフラを持つわが国唯一の国際拠点空港としての役割を最大限に果たすものとなる。日本側のパートナーである三菱重工業、川崎重工業、富士重工業各社の意見、要望に対しても細かく対応していきたい」と話した。

 

■施設の概要
整備主体:中部国際空港※中部国際空港とボーイングによる賃貸借契約を締結
建設予定地:国際線28番スポットの南側一角(空港島中央最南端部)
規模/構造:建築面積約3000平方メートル(約70メートル約40メートル、高さ約15メートル)、鉄骨造、2階建て
整備スケジュール:2012年6月末-7月頃着工、2013年1月頃完成