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後部座席減らしスペース確保

ヤマト運輸、岩手で貨客混載開始、バスで宅配輸送

2015年6月3日 (水)

ロジスティクスヤマト運輸は3日、岩手県北自動車(岩手県盛岡市)と共同で、路線バスで宅急便を輸送する「貨客混載」を開始した。

(出所:ヤマト運輸)

(出所:ヤマト運輸)

バス路線の生産性を高めて路線網の維持を図りながら、物流網も維持するため、盛岡市と宮古市を結ぶ「都市間路線バス」、宮古市内から同市重茂半島を結ぶ一般路線バス「重茂路線バス」で導入。後部座席を荷台スペースとした開発車両で運行する。

具体的には、都市間路線バスと重茂路線バスに一定量の宅急便を積載できるよう、車両後方の座席を減らして荷台スペースを確保。荷台スペースには専用ボックスを搭載し、その中に宅急便を入れて輸送する。都市間路線バスには「ヒトものバス」と銘打ったラッピングを施した。

ヤマト運輸、岩手で貨客混載開始、バスで宅配輸送03

(出所:ヤマト運輸)

これまで、ヤマト運輸は北上市の物流ターミナルから宮古営業所へ大型トラックで幹線輸送を行い、さらに宮古営業所から18キロ離れた重茂半島まで集配車両で輸送していたが、今回の取り組みでは、物流ターミナルから宮古営業所までの運行途中にある盛岡西営業所まで大型トラックで幹線輸送し、同営業所で主に重茂半島行きの宅急便を「都市間路線バス」に積み替え、宮古営業所まで輸送する。

宮古営業所から重茂半島までを重茂路線バスで輸送し、岩手県北バスの重茂車庫でヤマト運輸のセールスドライバーに宅急便を受け渡す。開始時は1日1便で運行する。

また、重茂半島の担当セールスドライバーは、午後の便で入る重茂半島行きの荷物を宮古営業所まで取りに戻っていたが、今後は荷物を取りに戻る必要がなくなるため、集配効率が上がるとともに、ほかの地域と混載輸送されていた重茂半島行きの荷物を仕分ける作業がなくなる。

今後は岩手県でヤマト運輸が展開している「まごころ宅急便」と「貨客混載」を組み合わせたサービスの開発を検討し、高齢化や過疎化が進む中山間地域などで課題解決と地域活性化に取り組む。