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RFID棚管理で看護師の機器持ち出し回数8割減

2017年7月6日 (木)

サービス・商品帝人は6日、2015年度にRFID棚管理システム「レコピック」が採用された聖路加国際病院(東京都中央区)での実証実験の結果、看護師などが臨床工学室に移動する回数を8割削減したと発表した。

医療機器の管理は、安全性重視と器台管理の簡便さから、臨床工学室などでの中央管理が主流となっているが、中央管理では、本来患者対応に当たる看護師などが機器の持ち出しや返却などを行わなければならず、業務負担の増大が課題となっていた。

これに対し、各病棟での分散管理は、看護師などの利便性が向上するものの、「機器の使用状況が把握できない」といった課題があった。さらに、どの管理方法でも、各病棟で機器の抱え込みや余剰在庫が定常的に発生する課題もある。

レコピックは、空間に広がる特性があるUHF帯の電波を棚の表面に限定的に伝搬させることができるため、ほかの医療機器への影響が少ないことに加え、医療機器の所在や使用時間、院内での使用台数などを常時把握することを可能としている。これらのことから聖路加国際病院は、レコピックを採用し、実証実験を行うこととした。

実証の結果、余剰在庫のある最も近い病棟を瞬時に判別できるため、看護師などが臨床工学室に移動する回数を45%削減できることがわかった。さらに、管理対象となる医療機器の種類を広げることで、85%を削減。看護師による患者対応が拡充できるなど、医療サービスの向上と業務負担の軽減を同時に達成した。

今後帝人は、大病院を中心にレコピックに展開するとともに、2次元通信シート「セルフォーム」を活用した無線LAN用途や、ビーコンを使用した「ペーパービーコン」など、電波の「面」による伝搬用途をさらに開拓し、IoTソリューションの充実を図ることで、事業を拡大する。