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GLP境古河I・II、圏央道エリアに続々着工で新たな物流要衝誕生

泥臭い顧客目線の施設開発に個性光る、GLP境古河I

2024年4月26日 (金)

話題首都圏中央連絡自動車道(圏央道)エリアでの施設開発をけん引する日本GLPが、新たに、圏央道・境古河インターチェンジ(IC)近くに、2棟の大型施設、GLP境古河I、IIの開発を進めている。

▲GLP境古河I・IIの完成イメージ

これまで施設供給のなかった境古河IC周辺には、ことしから26年にかけて続々と物流施設が完成する。中でもGLP境古河I、IIは、2棟合わせて延床面積15万7500平方メートル超となる大型プロジェクト。その開発においては、「現地に何度も足を運んでユーザーの声を聞くことからスタートし、このエリアに本当に必要な施設開発にこだわりました」と、営業開発部アソシエイトの泉田剛流氏は言う。

徹底した現場主義から生まれた、ほかにはないこだわり

泉田氏は50社を超える現地物流事業者からの聞き取りを通じて、新施設のターゲットを、都心向けの在庫保管需要に対応するDC倉庫としてのニーズと、現地周辺の製造・工場在庫系ニーズに設定し、設計・開発段階からそれらの需要を見据えた施設として、近隣施設との差別化を目指した。

▲営業開発部アソシエイトの泉田剛流氏

茨城県の工場立地は、過去10年間で立地面積では全国1位を6回、県外からの移転立地件数でも全国1位を9回記録し、日野自動車やダイキン工業、日清食品などの有名企業が大規模工場を構える地域。延床面積8万4542平方メートルの4階建てとなるGLP境古河Iでは、「1階の両面バースの片面を低床バースとして開発。自動車パーツや建材に代表される重量物、長尺物をウイング車で取り扱うのに有利な仕様としました。また、もう片面の高床バースとのハイブリッド運用により、物流事業者様における幅広い荷扱いも可能です」(泉田氏)。泉田氏はエリアの既存倉庫を調査し、通常1割程度とされる低床バースの割合が現地では3割程度を占めることも把握、2.5トンフォークの運用が可能な床荷重2.0トン、天候に左右されない全長10メートルの大庇(ひさし)を備えて、エリアの物流特性に応える形を見出した。

2階もランプウェイから直接接車可能なバースを完備し、最小2500平方メートル(750坪)程度の小割区画からの入居も可能、より柔軟な面積での倉庫運用の選択肢を用意した。泉田氏は「小割区画を複数設けてテナントが多くなると、管理は確かに煩雑になります。それでも、当社のALFALINKシリーズでテナント同士の『共創』を生み出したように、ご入居いただく企業の間口を広げることで、GLP境古河Ⅰでもそれに準ずる効果を期待しています。私は勝手に“プチ・アルファリンク”と呼ぶことにしています」と、同社の先進的取り組みを代表する大型開発プロジェクト「ALFALINK」に例えて、GLP境古河Ⅰから生まれるテナント同士の連携・協業に期待を寄せる。

3階と4階はメゾネット式で保管効率の向上に主眼を置く。有効天井高は最大7メートルとパレットの4段高積みも可能で、DC拠点としての使い勝手を考えた仕様となっている。1棟の中に多様な用途での受け皿があることも、ほかの施設はもちろん、施設内でもはっきりと差別化している。「1-2階は機動性を、3-4階は保管能力を重視するなど、テナントごとの拠点戦略に対応するスペックを採用しています」(泉田氏)

▲営業開発部部長の小鷲博之氏

「GLP境古河Ⅰの一番のセールスポイントは、徹底した現場主義。営業開発の泉田を先頭に、設計部門や開発部門まで、ものづくりチームも一緒に周辺エリアの物流会社を訪問して聞き込みを行い、ときにはA0サイズで印刷した1枚の図面を囲んで赤ペンを入れながらコンセプトを固めた施設。マーケットの意見をダイレクトに反映したGLPらしい泥臭い施設開発が形になったものです」と、営業開発部部長の小鷲博之氏は語る。

営業を中心に、設計、開発やプロパティマネジメントまでが参画してはじめの一歩から取り組んだのは、同社内でも稀有な事例だといい、若手社員の推進力で「ユーザー目線の施設開発」を形にしたのがGLP境古河Iと言える。

圏央道・境古河ICエリアで、ハード・ソフト両面でのサポート

物流施設として最重要項目である立地面についても、綿密なリサーチのもとで開発が進められていることにも言及しておこう。

▲GLP境古河の開発予定地

GLP境古河I、IIは、圏央道・境古河インターチェンジ(IC)から1分の距離で、圏央道を軸にした関東エリア拠点としての運用が想定できる絶好の立地。圏央道では現在4車線化が進められており、最短で境古河Iの完成時期となる25年には、久喜白岡ジャンクション(JCT)から大栄JCT間の4車線化が終了し、東北道や常磐道へのアクセスでも格段にスピードアップすることが予想される。いわゆる「物流2024年問題」で広域配送網の維持に危機感が持たれ、より効率的な輸配送の実現が求められるなか、同施設は、まさにこの幹線のインフラ強化を見据えた開発であることがわかる。

さらに、国道354号・古河境バイパスの開発も進められており、新施設から新4号国道へのアクセスでもショートカットが可能となれば、まさに関東中心地からの都心向け配送や広域配送での利便性も格段に向上することとなる。

首都圏をぐるりと取り囲む圏央道は、都心へのアクセスの良さと賃料設定のバランスが絶妙なエリアとして注目される。日本GLPも、神奈川、埼玉、茨城にかけての圏央道周辺の神奈川県厚木市、相模原市、埼玉県日高市、川島町、北本市、茨城県五霞町、そして今回の境古河(境町)と施設を展開し、それぞれのエリアのニーズに対応してきた。テナント側の戦略としても、ただ首都巨大商圏向けの配送、賃料の削減だけを目的とするのではなく、各地域に古くから根付く製造・工場との効率的な連携を求めて、あえて戦略的に都内から圏央道へと拠点を移行させた事例も増えている。

▲圏央道を軸に首都圏のみならず関東広域へのアクセスが良好(クリックで拡大)

「荷主・物流会社における拠点の新設・再編においては、これまでとは違う配送ネットワークの構築や、新たな人材の確保も大きな課題となります。私たちはハードとしての施設を提供するだけではなく、ソフト面では“GLPコンシェルジュ”を通じて、新天地での拠点再編に不安を抱えるカスタマーの悩みや課題を解決できることも、他の物流施設にはない大きな強みです」(小鷲氏)

持続可能な物流網、物流機能を再検討したいという相談から、運送事業者の紹介、倉庫機械化・自動化の相談など、物流に関するよろず相談窓口となるGLPコンシェルジュもまた、カスタマーにとっての最適解を用意するため「御用聞き」としての泥臭い地道な取り組みが活動の基盤。施設のスペックを最大限に発揮するためのパートナーとして、カスタマーにとっても心強い存在となるのではないだろうか。

▲「GLPコンシェルジュ」が拠点運営をサポート(クリックで拡大)

「雇用確保の観点では、今回、GLP境古河I内は人材派遣会社の事務所入居を予定しております。カスタマーの人材獲得窓口としての機能を一手に引き受けていただけることで雇用確保における不安解消につながると確信しております」と泉田氏は語る。GLPのALFALINK内ですでに実現しているこの試みは、テナント企業の雇用支援で実績を上げており、これもまた泉田氏の先導で、GLP境古河Ⅰ施設内での運用が決定したもの。物流拠点としての運用時の課題に先回りして対応する、一歩先を見据えた機能と言えるだろう。

館内で利用される電力についても最先端の取り組みをしている。GLP境古河Ⅰでは屋上の太陽光パネルで発電した電力を館内に供給し、テナント企業における電気代負担の緩和を実現した。さらには、追加で必要となる電力についても非化石証書に紐づいたグリーンエナジーにより賄うことで、テナント企業が「実質100%カーボンフリーの電力利用」を訴求できる仕組みを構築した。泉田氏は「昨今、SDGsに代表されるような環境対応をステークホルダーから求められる企業も多い。境古河Ⅰの賃借により、自社の物流倉庫運用を100%再生エネルギーで賄っていることをIRやプレスリリースでPRしていただけます」と語り、「まさに、営業、設計、さらに運用時のプロパティ・マネジメントまで、すべてインハウスで対応できる総合力を生かした新たな価値提供の取り組みです」と胸を張る。

GLP圏央五霞でもテナント募集、圏央道開発けん引するGLPの総合力

GLP境古河Iは、25年4月竣工予定。隣接する延床面積7万8790平方メートルのGLP境古河IIは、マルチテナント型として開発しながらBTSへの対応も視野に入れている。

周辺エリアでは、圏央道・五霞ICまで1キロと至近の施設、GLP圏央五霞も、テナントの入れ替わりで生じたスペースでの募集を開始している。18年10月に竣工した同施設は、3階建て・各フロアに接車できるダブルランプウェイを備え、境古河I同様、エリアの製造業需要に対応した低床バースや大庇を備えたフロア、有効天井高6.0-7.5メートルのフロアなど、多様なニーズに対応する。また、埼玉県東部エリアへのアクセス至便な国道新4号へのアクセスの良さは、他の圏央道物件と比較しても優位性のある立地で、「空き」が出るチャンスを待っていた事業者もいるのではないだろうか。

▲「GLP圏央五霞」

施設ごとのアイデア、チャレンジが盛り込まれたGLPの圏央道の物件ラインアップは、泥臭くカスタマー目線に立ち、会社一丸での総合力を物件開発に結実させたもの。施設スペックだけではなく、開発の背景とそれを支えるマンパワーもまた、GLP施設一つ一つの個性として拠点選定の参考になるのではないだろうか。

「GLP境古河I・II」概要

所在地:茨城県猿島郡境町猿山、蛇池
敷地面積:GLP境古河I:4万1989平方メートル/GLP境古河II:3万8614平方メートル
延床面積:GLP境古河I:8万4542平方メートル/GLP境古河II:7万8792平方メートル
構造:地上4階建て、S造/耐震構造
完成:GLP境古河I:2025年4月末(予定)/GLP境古河II:2026年10月末(予定)
アクセス:圏央道・境古河ICから0.4キロ、東部日光線・南栗橋駅から16キロ
「GLP境古河I」詳細ページ:https://www.glp.com/jp/list/sakaikoga-1/

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「GLP圏央五霞」概要

所在地:茨城県猿島郡五霞町ごかみらい1-1
敷地面積:8万5108平方メートル
延床面積:13万9880平方メートル
構造:地上3階建て、S造
完成:2018年10月
アクセス:圏央道・五霞ICから1キロ
「GLP圏央五霞」詳細ページ:https://www.glp.com/jp/list/kenohgoka/

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