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三井物産、ラトビアの港湾運営会社を買収

2013年4月30日 (火)

M&A三井物産は4月30日、シンガポールの港湾運営子会社「ポーテク・インターナショナル」を通じ、ラトビアのリガ市で多目的港湾ターミナルを運営する「Rigas Universalais Terminals SIA」(RUT社)の株式80%を2100万ユーロで取得した、と発表した。

RUT社の株式取得について、三井物産は「高成長が続く中央アジア・ロシアなどCIS圏の経済成長の取り込みを狙った欧州での港湾ターミナル事業への参入を実現したことになる」と強調。

ポーテク社として初の本格的なバルク貨物取扱いとなり、同貨物事業のノウハウを蓄積し、アジア・大洋州・アフリカなどでバルクターミナルの案件開拓・運営などに活用することで、さらなる物流インフラ事業の拡大につなげたい考え。

リガ港は、バルト海に面したラトビア最大の港で、古くから東西の交易の重要拠点として発展。同港から伸びる鉄道はCIS諸国と同じレール幅を使用しているため、ラトビアと直接国境を接するロシアを経由し、中央アジアに向けた鉄道輸送網がリガ市を起点としてつながり、高成長が続くロシア、カザフスタンなどCIS諸国向けのゲートウェイ港としての機能を果たしている。

ラトビア最大の産業である木材関連製品の輸出の7割がリガ港を経由しているが、RUT社は、これら木材関連のバルク貨物のほか、2009年からコンテナ貨物の取扱を開始し、堅調に事業を拡大している。

また、バルト三国港湾の中で冷蔵保管設備のEU認定ライセンスを保有する企業は、RUT社を含む2拠点に限られており、RUT社はカザフスタン向けの米国産冷凍チキンや北欧産冷凍魚などを取扱っている。

今後は、コンテナ貨物取扱いの歴史が浅いRUT社に対し、ポーテク社がもつコンテナターミナル運営ノウハウを提供し、荷役効率などの改善を図ることによって、ターミナルのコンテナ処理能力を倍増させる計画。

三井物産は、2011年9月にポーテク社への資本参画を実行した後、同社がもつ港湾ターミナルの近代化・運営効率化ノウハウなどを活用しながら、新興国を中心とした全世界での港湾ターミナル事業案件の開拓を進めている。