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公取委、ガソリン取引「不適切」、物流面の課題も

2013年7月23日 (火)

行政・団体公正取引委員会は23日、ガソリン取引に関する調査報告書を公表した。公取委は、元売が一般特約店に対して不適切な取引条件を課しているおそれがあるとして、元売各社に改善を求め、不適切な具体事例を確認した場合は厳しく対処する方針を示した。

公取委ではこれまでも実態調査を行っており、2004年9月、05年9月の報告書公表後は、ガソリン販売業者への仕切価格の決定方式に大幅な変更があったなど、ガソリンの流通市場で競争環境に変化がうかがわれたとして、改めてガソリンの流通実態を把握するために調査を実施し、公正な競争を確保する方策を検討することにした。

調査の結果、元売が系列特約店特に「一般特約店にとって相対的に高い仕切価格」を設定し、価格設定時に十分な情報の開示や交渉が行われていない場合がみられたと指摘。

また、元売は自社が精製したガソリンを商社に販売し、それが安価な業転玉としてPBSSに供給されている一方で、系列特約店に対しては業転玉の購入・販売を制限していることが認められたという。

このほか、物流面でも「元売が販売・出荷するガソリンは自社の製油所で精製したものばかりでなく共同油槽所を利用することにより他の元売が精製したガソリンが混入したガソリンやバーター取引により他の元売が精製したガソリンまで自社のガソリンとして系列SSに配送されている実態にある」と指摘している。

公取委はこれらの行為について「一般的にみて取引上優越した立場にある元売が一般特約店に対し一方的に競争上不利な取引条件を課しているおそれのあるもの」とした上で、「ガソリン流通市場の公正な競争環境を整備する観点からみて不適切」と判断した。

これらの調査結果を受け、公取委は元売各社に対して改善を求め、その動向を注視するとともに、「仮に元売が自己の取引上の地位が一般特約店に優越していることを利用して、取引の条件正常な商慣習に照らして不当に一般特約店に不利益を与えるなどの独占禁止法に違反する疑いのある具体的事実に接した場合には、厳正に対処する」と牽制。

さらに、「事業所管省庁にあってもガソリンの流通市場での公正な競争環境の整備という観点からまずは関係者間での適切な対応を促す必要があると考えられる」として、監督官庁の経済産業省、資源エネルギー庁に対策を促した。