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再生医療向け需要に対応、5年で事業売上高45億円目指す

堀場製作所、米フォトン社の蛍光分光分析事業を買収

2014年2月12日 (水)

メディカル堀場製作所(京都市南区)は10日、米国のフォトン・テクノロジー・インターナショナル社と蛍光分光分析事業の買収契約を締結した、と発表した。フォトン社が持つ細胞内イオンの画像化技術などの独自技術と研究設備などの資産を取得し、堀場製作所が持つ世界最高水準の蛍光分光技術と融合し、同分野でシェアを高める狙い。

堀場製作所では「解析需要が高まっている生物医学分野で、iPS細胞などに代表される再生医療の実現に向けた研究や次世代医薬品、農業・食品分野への事業拡大」を進める方針。

買収するフォトン社は、蛍光分光分析市場で、生物医学分野向けの細胞内イオンイメージング、その解析技術に強みを持っており、特に細胞内イオン分布の観察に特徴ある製品を保有。操作性や拡張性の高さでも高い評価を得ている。カナダのウェスタン・オンタリオ大学医学部に研究開発用のラボを構え、生物医学分野へのアクセスルートを多く保有している。

一方、堀場製作所はホリバ・ジョバンイボン社を1997年に買収し、近赤外線から紫外線を使った波長領域での分析技術を取得したことで、赤外線からγ(ガンマ)線までの全波長域で製品ラインアップを揃えることが可能になった。

米国で蛍光分光光度計、蛍光寿命測定装置の開発・生産・販売を行っており、カーボンナノチューブやグラフェンなどの先端材料の評価用に国家研究機関や大学などに蛍光分光分析装置を提供。蛍光分光分析分野では世界トップの15%のシェアを獲得している。

生物医学分野では、世界的に注目を浴びているSTAP細胞やiPS細胞など再生医療の実現に向けた研究や次世代医薬品、農業・食品分野では分子レベルの分析・解析の需要が高まっている。

急速に拡大が予想される生物医学分野のアプリケーションで、フォトン社が保有するネットワークを活用することにより、蛍光分光分析市場でさらなるシェアの拡大を図る。

併せて同社グループが持つ蛍光分光技術にフォトン社のソフトウェア開発力や生産技術を合わせ、効率的な製品投入によりコストダウンを進め、材料解析市場で販売増を目指す。5年後に、現有の蛍光分光事業と合わせて売上高45億円を目指す。