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SC戦略は「効率一辺倒」から転換、複線化進む

2026年10月7日 (水)

調査・データDPワールド(UAE)は5日、世界のサプライチェーン責任者を対象とした調査結果を公表した。回答者の84%が、供給網戦略の主要な判断軸として、コスト削減よりもレジリエンス(強靱性)と「選択肢の確保」が重要になっていると回答した。地政学リスクや関税、貿易ルールの変化が続くなか、企業が調達先や輸送ルートを複数持つ動きが広がっている。

調査は8月、14市場・9業種の最高サプライチェーン責任者(CSCO)103人を対象に実施した。今後12か月以内に調達先を多様化するとした回答は71%に達した。59%が在庫を増やし、57%が生産拠点などを需要地に近づけるニアショアリング、48%が友好国・同盟国への生産移転を進めると答えた。

従来のコストと効率を中心とした「最適化」だけでは、急激な環境変化に対応しにくくなっている。調査では90%が最近の関税変更によって投資や調達、供給網の意思決定が変化していると回答し、83%は関税を巡る不確実性が今後も供給網戦略に影響するとみている。

輸送面でも複線化が進む。回答者の86%が、代替ルートや海上・鉄道・陸送などを組み合わせたマルチモーダル輸送へのアクセスが競争優位につながると回答した。主要航路が混乱した際の迂回手段としてだけでなく、コストや輸送速度、市場へのアクセス条件に応じて輸送モードを切り替えられること自体が、事業成長を支える能力として評価され始めている。

(出所:DPワールド)

CSCOの役割も変化している。93%が「過去3年間で事業成長への関与がより中心的になった」と回答し、87%はサプライチェーン管理が経営上の意思決定の中心になっているとした。新市場への進出や投資、リスク管理など、従来は経営部門が担ってきた領域でも、物流や調達の知見が求められる場面が増えている。

今後3年間に成長を支える機能としては、「デジタル統合とエンド・ツー・エンドの可視化」が50.5%で最も多く、「低炭素サプライチェーン」が37.9%、「複数の国際市場へのアクセス」が35.9%と続いた。AIについても、需要予測で70%、リスク分析・予測で66%、在庫最適化で65%がすでに活用しているか、AI主導の運用段階に達していると回答した。

調査結果からは、供給網を単にコストセンターとして管理する考え方から、環境変化に応じて複数の調達先、在庫拠点、輸送手段を選べる体制そのものを競争力とみなす方向への転換が浮かぶ。一方、選択肢を増やせば在庫負担や管理の複雑さも増す。効率と強靱性のバランスをどう取るかが、企業の供給網戦略を左右する。

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