ロジスティクスispace(アイスペース)は7日、イタリアのレオナルド、テレスパツィオの2社と、月面・月周回における通信、測位・航法・調時(PNT)、輸送インフラなどで協業を検討する覚書を締結したと発表した。同日、独アリアングループとも月面宇宙機の開発や将来の月ミッションで協力関係を広げる覚書を結んだ。月への輸送だけでなく、通信・測位、宇宙機の生産・整備まで含めたインフラ構築で欧州企業との連携を強める。

▲第77回国際宇宙会議での覚書締結セレモニーにて(出所:ispace)
レオナルド、テレスパツィオとの協業では、月面と月周回軌道における通信カバレッジの拡大や測位・航法機能、データ通信容量の増強などを検討する。宇宙ロボティクスやAI技術の活用、利用者向け端末、宇宙・地上設備の開発でも連携を探る。
輸送分野では、ispaceが開発する軌道間輸送機(OTV)を使い、欧州宇宙機関(ESA)の月通信・測位プログラム「Moonlight」向け衛星を月周回軌道まで運ぶ可能性も検討する。月周辺で輸送、通信、測位の相互運用性を高め、将来の月探査を支えるインフラ形成を目指す。
一方、アリアングループとは、ispaceが開発中の月着陸船「ULTRA」の開発・生産で協力を深める。ULTRAにはアリアングループ製のパルススラスターや姿勢制御用スラスターを採用し、組み立て・統合・試験(AIT)でも支援を受ける。両社は今後、安定的な生産体制や長期的な商業契約についても検討し、部品供給や組み立て工程のリードタイム短縮、品質・信頼性の確保につなげる。
両社は過去にも月着陸船向け推進部品の供給やAITで協力しており、2021年にはESAの月輸送・探査分野の商業パートナーシップ構築に向けた取り組みに共同で参加した。今回の覚書では、日本、欧州、米国を含む将来の月ミッションへの協業拡大を視野に入れる。
ispaceは最速27年に月周回衛星1基を投入するミッション2.5を予定し、28年にはULTRAを使うミッション3、29年には月南極近傍への高精度着陸を目指すミッション4を計画している。月探査が単発の打ち上げ・着陸から継続的な活動へ移るなか、輸送、通信、測位、宇宙機生産を一体で整える体制づくりが進みつつある。
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