荷主IHI(東京都江東区)は8日、グループ会社のIHI回転機械エンジニアリング(東京都江東区)が手掛ける液化水素ボイルオフガス(BOG)圧縮機が、川崎重工業が神奈川県川崎市扇島で建設を進める「川崎LH2ターミナル」に採用されたと発表した。液化水素の貯蔵時に発生する気化ガスを直接吸入・圧縮し、基地の安定操業とパイプラインを通じた需要家へのガス供給を支える。
川崎LH2ターミナルは、日本水素エネルギーが主導する「液化水素サプライチェーンの商用化実証」の中核施設の1つ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業の支援を受けて整備が進められており、世界初の商用規模の液化水素基地と位置付けられている。
今回採用された圧縮機は、液化水素貯蔵タンク内で発生するBOGを直接吸入・圧縮し、タンク内の圧力を適正に維持する。パイプラインを通じた需要家へのガス供給も支える。圧縮機には、約マイナス240度の極低温水素ガスに対応する技術を採用。シリンダに真空断熱構造の「真空ジャケット」を採用し、周囲からの熱の侵入を抑えて外表面での空気の液化を防ぐことで、約マイナス240℃の極低温水素ガスの直接吸入を可能にする。極低温域での圧縮特性を活かし、圧縮機全体の高い省エネ性能を実現する。また、水素ガスの漏えいや潤滑油への混入を防ぐため、3室型中間筒シールシステムを採用した。ガスに接する主要部材には極低温水素に対応する材料を使用し、耐久性と信頼性を確保する。

▲自社開発のプロトタイプ機(出所:IHI)
IHI回転機械エンジニアリングは、LNG(液化天然ガス)受入基地向けのBOG圧縮機で培った知見と、自社開発のプロトタイプ機で得た成果を活用し、極低温水素ガスを直接吸入・圧縮する技術開発を進めてきた。
同社は、川崎LH2ターミナル向け圧縮機の提供を通じて、脱炭素エネルギーインフラの社会実装を支援する。

▲LH2 BOG圧縮機イメージ(出所:IHI)
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