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隣接のサプライヤーパークで4社が事業開始

日産、ブラジル・レゼンデ工場が稼働

2014年4月16日 (水)

荷主日産自動車は15日、ブラジルのリオデジャネイロ州レゼンデに26億ブラジルレアルを投資した生産工場を開設した。同社はブラジルで市場シェア5%の達成を目指している。

新工場は、板金プレスによる部品生産から車両組立までを行う。工場の年間生産能力は車両20万台、エンジン20万基で、これらの性能を試験するテストコースなど、自動車生産のすべての工程を完備している。

レゼンデ工場では、日産のVプラットフォーム車両、エンジンを生産。まずは「マーチ」と1.6L 16Vフレックス燃料エンジンの生産から始める。

「周囲の環境を保護しつつ最高品質の車両とエンジンの生産を行う」ため、トレーニングは最新の日本式プロセスと設備の技術を補完しながら、日産生産方式のガイドラインに沿って実施した。

88台のロボットは、より精度が求められる作業や、安全性・人間工学上のリスクを伴う可能性のある作業を行う。また、多くの作業エリアでは、小型自動運転ロボットとして無人搬送車(AGV)が、部品を積んだ小型カートを動かしているため、エンジンのついた搬送ベルトやチェーンで動くプラットフォームなどの必要がなく、より安全で静かなオペレーションが可能になっている。

車両塗装工程は、3ウェット水性塗装システムを採用。ベースと光沢剤を下塗りのすぐ後に塗装することで、塗装プロセスを短くし、エネルギー消費を削減している。ロボットが塗料と溶媒の無駄を低減するカートリッジを使うことで、揮発性有機化合物(VOC)排出を減らす。

工場敷地に隣接した場所には、サプライヤーパークのためのインフラを整備。工場内を拠点とする2社以外にも、サプライヤーパークでは既に自動車部品サプライヤー4社が事業を行っている。シート製造を行うタチエス、サスペンションサプライヤーのヨロズ、ゴム製品メーカーの鬼怒川ゴム、コクピット部品を生産するカルソニックカンセイ、鋼板サプライヤーの三井物産スチール、ブレーキと燃料管を生産する三桜が日産をサポートするために移転した。

日産では、レゼンデ工場で2016年までに部品の現地化率を80%にする計画。

■レゼンデ工場の概要
場所:リオデジャネイロ州レゼンデ
投資額:26億ブラジルレアル(12億米ドル)
敷地面積:305万平方メートル
建物面積:22万平方メートル
工場:車両工場1、エンジン工場1
生産能力:年間車両20万台、エンジン20万基
製品:新型「マーチ」、1.6L16Vフレックス燃料エンジン
直接雇用:現在1500人(将来的に2000人)