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東レ、日タイ拠点でCFRP部品の生産強化

2014年5月12日 (月)

荷主東レは9日、東レ・カーボンマジック(滋賀県米原市)と同社の量産工場「カーボンマジック・タイランド」(タイ・チョンブリ県)で、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部品の生産能力を増強すると発表した。

日本とタイで、新たにオートクレーブ成形や切削加工、塗装などの生産・後加工設備を導入し、2014年下期から16年にかけて段階的に稼動を開始する予。

東レは昨年4月に、童夢グループから童夢カーボンマジック(現東レ・カーボンマジック)の全株式を取得し、同時にタイの生産拠点「童夢コンポジット・タイランド」(現カーボンマジック・タイランド)の株式の75%を取得して子会社化した。

東レグループの傘下に入って以降、東レ・カーボンマジックは同社の設計技術力、カーボンマジック・タイランドの量産コスト競争力に、東レの高品位材料競争力が加わったことで市場からの評価・期待が高まり、プレミアムカーや二輪バイクなど従来から得意とする分野だけでなく、航空機や列車、車椅子や義足といったライフイノベーション関連などの新規分野でも設計・試作・量産依頼が急増している。

こうした市場からの要請に対応するため、東レ・カーボンマジックでは米原本社工場敷地に建屋を増築して試作・少量生産拠点としての機能を拡充。カーボンマジック・タイランドでは、現工場と同じシラチャSahaグループ工業団地内で2万2000平方メートルの敷地を賃借し、将来の拡張も考慮した「成形から塗装までの一貫量産新工場」を建設する。

東レグループでは、東レ・カーボンマジックをコンポジット事業の中核拠点に位置づけ、欧米拠点と連携してCFRP部品の市場開拓・適用拡大を目指す。併せて、2月に買収が成立したゾルテクカンパニーのラージトウ炭素繊維を含め、川上の炭素繊維から川中の中間基材、川下のCFRPコンポジットに至るサプライチェーンを拡充する。