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扶桑化学は鹿島に拠点集約を計画

三井化学、扶桑化学に閉鎖予定の有機酸事業を譲渡

2014年5月19日 (月)

荷主三井化学は16日、扶桑化学工業に有機酸事業を譲渡することで基本合意した、と発表した。

同社は、ウレタン事業再構築の一環として、2016年12月末をメドに鹿島工場の全プラント(TDI、特殊イソシアネート群、有機酸)を停止し、工場を閉鎖することを2月に決定していたが、扶桑化学工業と協議を行った結果、10月1日をメドに扶桑が事業を引き継ぐことで基本合意した。

これにより、TDIプラント停止後も扶桑化学工業が三井化学の現鹿島工場内で有機酸の生産を行い、安定供給を継続する。

三井化学にとっては鹿島工場内の土地、有機酸設備などを有効活用できるメリットがあり、扶桑化学工業にとっては、リンゴ酸の原料となる無水マレイン酸からの一貫競争力を確保するとともに、顧客の拡大によるシナジー効果も見込める。

扶桑化学工業は、有機酸のうち無水マレイン酸を原料とするリンゴ酸の国内唯一のメーカーで、ほかにクエン酸やグルコン酸といった果実酸事業を幅広く展開している。将来、無水マレイン酸を原料にした果実酸、誘導品の生産設備を建設すること、大阪工場から果実酸生産設備を鹿島工場に移設することを計画しており、現在の有機酸を軸にした果実酸コンビナートを構築することで、コスト競争力の抜本的強化を図る。

両社は今後、詳細の検討を進め、6月下旬をメドに事業譲渡契約を締結する。