トーマツ、農産物輸出拡大へ物流システム構築

国際トーマツは17日、農業の成長産業化に向けて「グローバル需要を取り込む新たな農業事業モデルの構築」を開始すると発表した。最初の取り組みとして、官民協働で日本農水産物の輸出拡大モデル構築を目指す経済産業省の「グローバル農商工連携推進事業」に応募、採択されている。

同事業では、香港・台湾をターゲットに夕張メロンなど日本農産物の輸出拡大モデルの構築を目指す。国内企業数社で組成したコンソーシアムを通じ、事業化に向けた助言業務とプロジェクトマネジメントを担当。鮮度保持技術を活用した物流システムの構築や香港・台湾市場の開拓を行い、大規模輸出と日本ブランドの確立につなげる。

トーマツは日本の農業を強化・成長させるために「アジアなど成長市場をターゲットとした日本農産物の輸出や、日本の技術を用いた海外での現地生産・流通などにより、グローバル需要を獲得することが必須」だと強調。

自社の知見とデロイトのグローバルネットワークを活用し、生産者や農業関連団体、各業界の企業、政府が有機的に連携して多面的課題に取り組むスキームをつくることで、グローバル需要の獲得に向けた新たな事業モデルを構築する。

日本農業の強みと世界市場の動向を踏まえた戦略品目の選定、生産・流通・販売を統合し競争力を高めるバリューチェーンの構築、植物検疫などの国レベルでの法規制対応といった多方面にわたる課題を視野に入れ、単独企業では困難な事業を克服できるモデルとする。