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国交省、トラック産業活性化へ取り組み整理

中型免許制度改正・女性運転者倍増でロードマップ

2014年7月7日 (月)

ロジスティクス国土交通省は7日、自動車局に設置した「トラック産業の健全化・活性化に向けた有識者懇談会」で、中型免許制度の改正に積極的に対応するなどトラック産業の活性化に向けた取り組みを整理したと発表した。

トラック運送業の就業者の年齢構成は40-54歳が42.3%を占めており、全産業の33.5%とくらべて中高年層への依存度が高い。また、女性の進出状況も全産業の42.8%に対し、2.4%と著しく男性に偏っていることから、近い将来、深刻な労働力不足に陥ることが懸念されている。

そこで、有識者懇の整理では(1)業界イメージの改善(2)キャリアアッププランの提示(3)若年層へのアピール強化(4)女性の活用促進——を柱とした取り組みをまとめ、2014年を「トラックドライバーの人材確保・育成元年」に位置付けて2017年までのロードマップを作成した。

業界イメージの改善に向けては、多様な勤務形態の導入など長距離輸送における長時間労働の解消といった働きやすい環境の整備について、今月から調査検討を開始。併せて運行管理制度のあり方も検討する。

また、トラック輸送がつくり出す社会的・経済的価値を分かりやすくPRするため、自動車局と全日本トラック協会のホームページを10月末までに大幅に刷新する。

キャリアアッププランの提示については、ドライバースキルの「見える化」に向けて全ト協と地方ト協で制度構築に向けた議論の場を設置・検討し、19年度以降をメドに運用を開始する。

若年層へのアピール強化では、自動車局・全ト協のホームページリニューアルに合わせてドライバー確保に向けた取り組みをPRし、学校からのリクルート窓口を全ト協・地方ト協のサイトに明記。運輸局・地方ト協の共催で小中学校への学校訪問や出前講座を開始する。

また、若年層の運送業界への就業促進で課題となっている中型免許問題については、警察庁の検討会が7月いっぱいで終了するのを待ち、国交省と全ト協が総合安全対策をとりまとめる。

女性の活用促進では、20年までに女性トラックドライバー数を12年比で倍増させる目標を掲げ、自動車局のホームページ刷新に合わせて8月末までに「トラガールサイト」を開設。現役女性ドライバーのインタビュー記事や女性ドライバーの雇用促進につながる経営者向け情報、志望者に役立つ情報を掲載する。