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三菱重工、中国工場で歯車機械の生産を開始

2011年4月7日 (木)

荷主三菱重工業は7日、中国・常熟市(江蘇省)に竣工した工作機械工場で、歯車機械の現地生産を開始したと発表した。中国市場での自動車生産台数の急増を受け、現地関連メーカーの設備需要が増加しているのに応えるのが狙いで、5月から出荷を始める。

 

併せて11日に北京市で開幕する「CIMT2011第12回中国国際工作機械展覧会」に出展し、同社ブランドの浸透を図り、拡販につなげる。

 
工場は「三菱重工(常熟)機械有限公司」内で、2010年8月から建設を進めてきた。同社は10年12月に「常熟菱重機械有限公司」から現社名に変更したもので、シェアドファクトリー(複数製品生産工場)方式でゴム・タイヤ機械の生産拠点も運営している。

 

約5000平方メートルのスペースに、歯車機械生産用の各種組立・計測関連設備を導入。実機を展示するとともに、テストカットや加工技術コンサルティングなどの各種サービスを提供することにより、客先の機械加工プロセスをサポートしていく。このため、従業員育成に力を注ぎ、日本と同一水準の技術と品質による生産、ユーザーサービスができる体制を整えた。

 

生産を始めた機種は、2002年に市場投入した切削油不要のドライカットホブ盤「GE15A」。同機は世界で初めて完全ドライカットを実現した同社歯車機械のベストセラー機で、最大径150ミリメートルまでの歯車を、環境に優しく低コストに加工できる。自動車、二輪車、建設機械や各種減速機などの高精度な歯車加工向けを中心に拡販していく。生産台数は初年度約40台、4年後約100台を見込む。

 

一方、CIMT2011にはGE15Aとともに、門形5面加工機「MVR30」を展示する。同機は高精度と高速性能とで顧客の高い評価を得ており、自動車用金型や産業機械・建設機械などの大型部品加工用を中心に、多数の納入実績を持つ。顧客のニーズを取り入れオプション装備の充実を図り、さらに使いやすくなった機能を訴求し、拡販を図る。

 

CIMTは中国最大の国際工作機械展示会で、89年以来隔年開催されている。同国の急激な経済成長を背景に、政府による支援を得て目覚しい発展を遂げており、最近は「世界三大工作機械見本市」といわれる米国のIMTS(国際製造技術展、シカゴショー)、欧州のEMO(欧州国際工作機械展)、日本のJIMTOF(日本国際工作機械見本市)にも匹敵する高い評価を得るようになった。今回は中国国際展覧中心(新館)を会場に、16日まで開催される。