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会計検査院が国交省に指摘、的確な審査と政策との整合性求める

京浜・阪神港のフィーダー強化6事業、目標の半分にも届かず

2014年10月29日 (水)

行政・団体会計検査院は28日、国土交通省が関東地方整備局と近畿地方整備局で事業者に委託して実施している内航・鉄道フィーダー機能強化12事業のうち、6事業で目標の50%にも達しておらず、2地方整備局が目標輸送量の具体的な設定根拠を十分に確認していなかったと指摘した。

2009年度から13年度までに支払った委託費は12事業合わせて44億7788万円で、このうち指摘された6事業では、15億4298万円を支払っており、中には最終年度に事業支出が収入を大幅に上回っている事業もあった。

これらの事業は、国交省が国際コンテナ戦略港湾に指定している京浜港と阪神港への集荷を促進し、東アジア主要港で積み替えられているコンテナ貨物を京浜・阪神港にシフトすることを目的として実施しているもの。

しかし、会計検査院に指摘された6事業では、13年度の目標達成率が1割程度にとどまるものもあり、最大でも34.8%となっていた。

輸送実績が低調な理由として、受託事業者は「東アジア主要港を利用した経路に比べて価格競争力が劣ることから、事業計画通りに転換が進まなかった」などと説明していたが、目標輸送量を設定していても具体的な荷主を特定していないなど、根拠が明確に示されておらず、2地方整備局も設定根拠が記載されていないことを十分に確認していなかった。

会計検査院では、こうした事業の実施状況を踏まえて「事業の成果目標となる目標数量や輸送内容と政策目標との整合性の具体的な根拠を事業計画に記載させるなどして、審査を的確に行うことを検討すること」「実施状況を十分把握できるような事業報告書を作成させ、的確な評価や今後実施する事業の計画・実施に反映するよう検討すること」を求めた。