ロジスティクストランコムが27日に発表した前3月期決算は、物流業界の車両不足を背景に主力の物流情報サービス事業が大幅に伸び、他の事業部門も堅調に推移したことで売上高、営業利益ともに二桁の増加となった。
物流情報サービス事業は、人手・車両不足が深刻化する業界環境の中で車両ニーズの高まりを受け、全情報センターで専属車両を増やし、空車情報の確保に注力。
過去の情報取得時間や取得内容などを分析できるツールを使用し、収集した空車情報の成約率向上に取り組んだ結果、成約件数が増加した。また、需給のひっ迫が上半期の運賃単価上昇につながった。同事業の売上高は616億9300万円(前期比17.3%増)、利益は25億2100万円(19%増)。
次いで売上規模の大きいロジスティクスマネジメント事業では、2014年4月に稼働した大型案件が寄与して13.9%の増収を確保したものの、この案件の立ち上げ費用や物流システムの回収費用を計上したことで増収効果を相殺し、利益水準はほぼ前期並みにとどまった。
今期は、物流情報サービス事業でトラックリースサービスの検討を進めるほか、荷主企業に対してグループ一体となった営業に取り組むことで貨物情報を確保。輸送メニューも中ロットやドレージ輸送などを検討、実践する。
これらの取り組みにより、売上高1226億円(6.9%増)、営業利益58億3000万円(5%増)、最終利益30億円(2.5%増)を見込む。
[トランコム]2015年3月期決算(単位:百万円)
2015年3月期 | 2014年3月期 | 増減率(%) | ||
---|---|---|---|---|
売上高 | 114,696 | 99,515 | 15.3% | |
営業利益 | 5,553 | 4,999 | 11.1% | |
経常利益 | 5,470 | 4,844 | 12.9% | |
当期純利益 | 2,925 | 2,792 | 4.8% |