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常石造船、木材輸送に適した新開発の船型受注

2015年5月1日 (金)

荷主常石造船(広島県福山市)は1日、新開発の3万8300トン型木材、ばら積み貨物船の「TESS38」シリーズで複数隻を国内の友好船主から初受注したと発表した。

常石造船、木材輸送に適した新開発の船型受注

世界的な経済低迷の中でも小口の木材輸送は安定して需要が見込め、アジアの経済発展で資源輸送の需要が拡大していることから、同社はハンディサイズの木材、ばら積み貨物船の新造船需要を取り込むため、昨年11月に開発に着手、年末から受注活動を進めていた。

新開発のTESS38は、従来のTESS35をベースに船長を3メートル長い180メートルとすることで、載貨重量を3000トン増やしながら輸送効率を高めた船型。太平洋、大西洋の主要航路で既存船の運航状況を独自に調査し、甲板上にも木材を搭載できる固縛装置を標準装備するなど木材輸送に適した仕様とした。

さらに、TESS35と同様に4基のデッキクレーンを搭載し、開口面積の広いハッチカバーと貨物艙に鉄鋼製品の輸送にも適したセミボックス型ホールドを採用、高い荷役効率とメンテナンス性に配慮した。

このほかプロペラの推進効率を高める省エネ付加物、波浪抵抗や風圧抵抗を低減する船体形状などTESSシリーズやカムサマックスバルカーの開発で得た環境技術を搭載し、1990年代の自社建造ハンディサイズバルカーと比べて燃費を15.4%向上させた。

初受注したTESS38は、フィリピンのツネイシヘビーインダストリーズ・セブで2017年末に1番船を竣工する計画で、同社は今後、国内外の顧客に向けて営業活動を展開する方針。

4月14日、フィリピンのツネイシヘビーインダストリーズ・セブに関係者が集まり、契約調印式を行った。

■TESS38の主要目
船種:載貨重量トン数3万8300トン型木材、ばら積み貨物船
長さ:180メートル
船幅:30メートル
深さ:15メートル
満載喫水:10.45メートル
載貨重量トン:3万8300メトリックトン
主機:MAN B&W 6S50ME-B8.3
貨物艙容量:4万7800立法メートル