認証・表彰SBSグループのティーエルロジコムは29日、4月の「全日本物流改善事例大会2011」で発表した同社土浦支店の改善事例「納品台車管理システムの構築による事務所作業時間の短縮」が「物流合理化努力賞」に選ばれ、28日経団連会館で行われた授与式で表彰されたと発表した。
土浦支店の改善事例は、顧客の大手スーパー・カスミ向け配送業務で課題となっていた「商品の車両積込み時の納品台車の取り違えの発生、配送後の納品台車管理の事務負担」を改善・解決したもの。
それまで、ドライバーの記憶に頼っていた積込み台数について、システムによる記録に改善することを目指し、「どの店舗へ何台の納品台車を積み込んだのか」を記録、管理する情報システムの検討に着手。改善チームでは「作れば簡単に改善できそうだが、他社事例では900万円以上の費用がかかる。何とかお金をかけない解決策はないか」と諦めずに探し続けた結果、1台2万9800円のレジスターにたどりついたというもの。
レジスターを使用すれば入力と印刷作業を1台で実行することができることに着目し、商品を店舗に、金額を台数に読み替え、レシートを出荷明細書に転用。わずか15秒で入力できる仕組みを完成させた。これにより、ドライバーと事務担当の両方の負担を大きく削減し、誤出荷の防止につながる改善も実現した。
同社では「物流現場でのシステム化は、PCやサーバにハンディスキャナなどの周辺機器を組み合わせて独自開発するもの、それには高額な費用がかかるという常識や思い込みを打破した改善事例」としている。
同大会の最優秀賞である物流合理化賞には、カスミの物流パートナー企業の1社、三共貨物自動車が選ばれた。昨年はティーエルロジコム土浦支店が受賞しており、同一顧客の業務を請け負う物流企業が2年連続で受賞したことになる。