ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

住友商事、欧州で農業バリューチェーンを統合

2011年7月25日 (月)

M&A住友商事は22日、英国子会社の「スミ・アグロ・ヨーロッパ社」が、ルーマニアの総合農業資材販社・アルチェド社の株式90%を取得することで合意したと発表した。

 

住友商事は欧州主要市場で農薬販売組織「SAE」を展開しているが、今回の買収は、農薬・種子メーカーと強力なネットワークを保有して輸入卸売業を展開するSAEと、農家への直接の販売ネットワークを持つアルチェド社とを組み合わせることで、川上から川下までの農業バリュ-チェーンを統合することを目指したもの、と説明している。

 

これにより、農業資材サプライヤーに提供する販売力を強化する一方、農家に対しては、ファイナンスの提供、農産物買い上げなどサービスを増強する。将来的には、農作物の生産・対日輸出、農機・保険事業への参入などを推し進め、多角的にルーマニアの農業に資する活動を展開していく。

 

同社では、この取り組みについて「これまでの総合商社の農業資材関連ビジネスモデルの枠を超えた、全く新しい試み」と強調。今後10年間でスミ・アグロ・ヨーロッパ社の売上を倍増させ、売上1億ユーロ(約115億円)を達成する計画。

 

アルチェド社は、1990年に設立された同国最大の総合農業資材販売会社で、大手農薬・種子・肥料メーカーの商品を幅広く取り扱っている。販売先農家は3500に上り、ルーマニア全農家の約3分の1をカバー。きめ細かい技術サービスや物流サービスに加え、農薬製造拠点や穀物サイロを持ち、農家に対する栽培技術の提供から農作物の買い上げまで幅広いサービスをワンストップで提供、これらの総合的サービスが評価されアルチェド社は同国でトップシェアを持っている。