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鴻池運輸、米国で冷凍・冷蔵倉庫を買収

2011年8月1日 (月)

M&A買収する倉庫鴻池運輸(大阪市中央区)は1日、米国法人「コウノイケ・パシフィック・カリフォルニア・インク」(KPC)が7月29日付けで、Eストリート・コールド・ロジスティクス社(ロサンゼルス)から冷凍・冷蔵倉庫を買収し、新たに「コウノイケ・Eストリート・インク」(KES)として1日から業務を開始すると発表した。買収金額は約20億円で、新会社は鴻池グループの25番目の海外拠点。米国では4社目となる。

 

取得した冷凍・冷蔵倉庫は、ロサンゼルス、ロングビーチ両港、KPCの既存施設にも近接し、急速冷凍室や水産加工施設を備え、生鮮食品を24時間365日、最適な温度管理で保管を行う「定温物流サービス」を提供する拠点となる。

 

ロサンゼルス近海で水揚げされた海産物の急速冷凍・保管作業をはじめ、輸入果物や通常冷凍貨物の入出庫・保管など、幅広いニーズに対応が可能。また、グループでは輸出入海上コンテナとトラック、貨車との積み替え(トランスロード)機能も保有しており、全米各地と直結した輸配送が可能。

 

今回の買収により、米国法人がロサンゼルス地域で保有する冷凍・冷蔵倉庫は3拠点、合計収容能力は5万500パレット(現在の1.4倍)となり、ロサンゼルス、ロングビーチ両港の港頭地区での冷凍・冷蔵倉庫の保管能力の60%近くを、鴻池グループが占めることになることから「大きな相乗効果が期待される」としている。鴻池運輸では、2012年1月にもタイで冷凍・冷蔵倉庫を開設する。

 

買収の背景として、カルフォルニア州では人口が2000年-08年に8.5%増加しており、今後も冷凍・冷蔵食品の需要の拡大が見込まれるほか、同社は「これまでの実績と経験から学んだこととして、米国ではビジネスのルールや制度が整備されており、新興国と比較し外資に対してもフェアであること、そして日本国内では過当競争により利益率が低いのに対し、米国ではROE(自己資本利益率)が高く投資効率がよいこと」などと説明している。

 
■買収する倉庫の概要

倉庫敷地面積2万5000平方メートル
倉庫面積7700平方メートル
収容力1万5000パレット
取扱商品魚、輸入果物、冷凍貨物
付帯設備急速冷凍室(7室、600パレット収容)、魚加工施設(1069平方メートル)