ロジスティクス横浜市が5日発表した横浜港の3-4月の輸出貨物量は、3月が20.1%、4月が37.4%それぞれ減少した。総じて貨物量の多い品種の減少幅が大きくなっているが、4月になると、ゴム製品が3位(3月は6位)になるなど、自動車関連の品種の減少が鮮明になった。2009年の貨物の落ち込みから、2010年は2桁回復し、2011年も緩やかな回復が見込まれていた。しかし、東日本大震災の影響により、横浜港の貨物にも変動が発生していた。
3月 | 輸出 | 輸入 | 移出 | 移入 | ||||
貨物量 | 前年比 | 貨物量 | 前年比 | 貨物量 | 前年比 | 貨物量 | 前年比 | |
3,085,888 | 79.9% | 3,875,343 | 99.5% | 1,048,279 | 62.4% | 1,856,849 | 86.5% | |
コンテナ個数 | 前年比 | コンテナ個数 | 前年比 | コンテナ個数 | 前年比 | コンテナ個数 | 前年比 | |
123,496 | 91.0% | 119,701 | 93.3% | 8,861 | 82.4% | 12,998 | 91.6% | |
4月 | 輸出 | 輸入 | 移出 | 移入 | ||||
貨物量 | 前年比 | 貨物量 | 前年比 | 貨物量 | 前年比 | 貨物量 | 前年比 | |
2,485,901 | 63.7% | 3,774,973 | 95.5% | 1,353,896 | 92.6% | 1,902,874 | 102.7% | |
コンテナ個数 | 前年比 | コンテナ個数 | 前年比 | コンテナ個数 | 前年比 | コンテナ個数 | 前年比 | |
130,959 | 88.2% | 119,012 | 92.9% | 10,113 | 117.4% | 7,931 | 53.0% |
輸入貨物への影響は、前年比10%以下となっており、大幅な減少には至っていないが、3、4月の輸出貨物、3月の移出貨物、4月の移入コンテナ貨物には、20%を越える大幅な減少が見られた。また、特に落ち込みの大きかった4月の完成自動車の輸出先を見ると、オーストラリア、アメリカ、カナダなどでは落ち込みが激しく、前年の1-2割程度まで落ち込んでいる。
4月の移入コンテナは、47.0%の大幅減となった。2010年内貿移入コンテナの年間取扱個数上位10港で、2010年、11年4月のコンテナ取扱個数(TEU)をみると、上位10港では神戸港や川崎港を除く8港が減、東北地方では、第2位の仙台塩釜港が全減、また9位の八戸港も前年比9割減と壊滅的な状況になっている。
5月以降は、生産の回復とともに下げ幅は縮小し、持ち直しの方向に向かうと考えられるが、電力供給の制約など下振れリスクも存在する。3月は移出貨物で前年比37.6%の減となっており、品種では、石油関係や完成自動車の取扱いが大きく減少している。移出先では、名古屋港への減少が13万7000トンと大きく、そのほとんどが完成自動車の減によるもの。
第5位は仙台塩釜港となっており、前年比で約1割程度と、震災で壊滅的な影響を受けている。4月には、移出貨物全体では、前年比で92.6%まで回復しているが、震災の爪あとは大きく、名古屋港、仙台塩釜港では依然厳しい状況が続いた。