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3・4月の横浜港、震災の影響鮮明

2011年8月5日 (金)

ロジスティクス横浜市が5日発表した横浜港の3-4月の輸出貨物量は、3月が20.1%、4月が37.4%それぞれ減少した。総じて貨物量の多い品種の減少幅が大きくなっているが、4月になると、ゴム製品が3位(3月は6位)になるなど、自動車関連の品種の減少が鮮明になった。2009年の貨物の落ち込みから、2010年は2桁回復し、2011年も緩やかな回復が見込まれていた。しかし、東日本大震災の影響により、横浜港の貨物にも変動が発生していた。

3月輸出輸入移出移入
貨物量前年比貨物量前年比貨物量前年比貨物量前年比
3,085,88879.9%3,875,34399.5%1,048,27962.4%1,856,84986.5%
コンテナ個数前年比コンテナ個数前年比コンテナ個数前年比コンテナ個数前年比
123,49691.0%119,70193.3%8,86182.4%12,99891.6%
4月輸出輸入移出移入
貨物量前年比貨物量前年比貨物量前年比貨物量前年比
2,485,90163.7%3,774,97395.5%1,353,89692.6%1,902,874102.7%
コンテナ個数前年比コンテナ個数前年比コンテナ個数前年比コンテナ個数前年比
130,95988.2%119,01292.9%10,113117.4%7,93153.0%
単位:トン、TEU

 

輸入貨物への影響は、前年比10%以下となっており、大幅な減少には至っていないが、3、4月の輸出貨物、3月の移出貨物、4月の移入コンテナ貨物には、20%を越える大幅な減少が見られた。また、特に落ち込みの大きかった4月の完成自動車の輸出先を見ると、オーストラリア、アメリカ、カナダなどでは落ち込みが激しく、前年の1-2割程度まで落ち込んでいる。

 

4月の移入コンテナは、47.0%の大幅減となった。2010年内貿移入コンテナの年間取扱個数上位10港で、2010年、11年4月のコンテナ取扱個数(TEU)をみると、上位10港では神戸港や川崎港を除く8港が減、東北地方では、第2位の仙台塩釜港が全減、また9位の八戸港も前年比9割減と壊滅的な状況になっている。

 

5月以降は、生産の回復とともに下げ幅は縮小し、持ち直しの方向に向かうと考えられるが、電力供給の制約など下振れリスクも存在する。3月は移出貨物で前年比37.6%の減となっており、品種では、石油関係や完成自動車の取扱いが大きく減少している。移出先では、名古屋港への減少が13万7000トンと大きく、そのほとんどが完成自動車の減によるもの。

 

第5位は仙台塩釜港となっており、前年比で約1割程度と、震災で壊滅的な影響を受けている。4月には、移出貨物全体では、前年比で92.6%まで回復しているが、震災の爪あとは大きく、名古屋港、仙台塩釜港では依然厳しい状況が続いた。