ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

全ト協調べ

軽油下落で大幅改善、7-9月の運送業界景況感

2015年11月24日 (火)

調査・データ全日本トラック協会は24日、7-9月期のトラック運送業界の景況感速報を発表した。軽油価格の下落が企業業績に好影響を与え、営業利益の改善効果がみられたことから、景況感の判断指標は-19.4となり、前回の-34.6から大幅に改善した。

一方、ドライバーが不足している状況は続いており、「軽油価格が下落しても営業利益の改善効果が得られない事業者が高い比率で存在する」と指摘。10-12期はわずかに悪化して-22.2となる見込み。

軽油下落で大幅改善、7-9月の運送業界景況感

▲業界の景況感(全日本トラック協会資料を基にLOGISTICS TODAY作成)

■景況感の判断指数、軽油下落で大幅に改善
7-9月期のトラック運送業界の景況感は、「好転」とした事業者が17.4%(前回は15.4%)、「悪化」が33.5%(43.2%)で、判断指標は-19.4となり、前回の-34.6から15.2ポイント(P)改善した。10-12月期は、業界の景況感の判断指標が-22.2で今回から2.8P下げる見込み。

一般貨物の輸送数量は減少32.1%、増加22.7%で判断指標は-13.6。前回の-23.1から9.5P改善した。営業収入は減少32.1%、増加26.3%で判断指標は-11、前回の-21.9から10.9P改善した。営業利益は減少28%、増加29.9%で判断指標は-1となり、前回(-17)から16P改善した。10-12月は輸送数量、営業収入は横ばい、営業利益はやや悪化の見込み。

宅配貨物の輸送数量は減少24.1%、増加24.1%で判断指標は-10.3となり、前回(-7.7)より2.6P悪化した。営業収入は減少24.1%、増加17.2%で判断指標は-17.2。前回(-5.1)よりも12.1P悪化した。営業利益は減少24.1%、増加17.2%で、判断指標は-17.2となり、前回(-7.7)よりも9.5P悪化した。10-12月は輸送数量、営業利益は横ばい、営業収入はわずかに悪化の見込み。

宅配以外の特積貨物では、輸送数量は減少33.8%、増加14.5%で判断指標は-22.6となり、前回(-30)から7.4P改善した。営業収入は減少30.6%、増加25.8%で判断指標は-8.1となり、前回(-11.7)から3.6P改善した。営業利益は減少24.2%、増加38.7%で、判断指標は16.1となり、前回(-10)から26.1P改善した。10-12月は輸送数量は横ばい、営業収入、営業利益は悪化の見込みである。

■運賃・料金水準7.4%の改善
運賃・料金水準は、一般貨物は5.0(0.3)と4.7P改善、宅配貨物は10.3(7.7)と2.6P改善、宅配以外の特積貨物は27.4(20)から7.4P改善となっている。実働率は-14.5(-21.4)と6.9P改善、実車率は-10.9(-20.5)となり、9.6P改善となった。

雇用状況(労働力の過不足)は73.4(56.3)と17.1P上昇し、不足感が強くなった。採用状況は-5.1(-1.0)で指標は4.1P減少し、所定外労働時間は-10.6(-16.6)と6P増加。貨物の再委託(下請運送会社への委託割合)は-2.0(-12.7)で10.7P増加となった。経常損益は5.4(-9.8)となり、指標は15.2P改善した。

10-12月の運賃・料金水準は一般貨物、宅配貨物がやや低下の見込み、宅配以外の特積貨物は低下の見込み。実働率、実車率はわずかに改善。雇用状況は指標の水準をやや上げ、不足感が強まる。採用状況は水準をわずかに下げ、減少の見込み。所定外労働時間はやや水準を上げる。貨物の再委託は水準をわずかに下げ、経常損益は指標の水準を下げる見込み。

■中規模事業者の改善率20.5ポイント
事業者の規模別では、大規模事業者は0.0(-13.5)と13.5P改善、中規模事業者は-13.2(-33.7)となり20.5P改善、小規模事業者は-35.7(-44.5)と8.8P改善した。10-12月の事業者規模別は、大規模事業者で悪化、中期規模事業者でやや悪化、小規模事業者ではわずかに改善の見込み。

一般貨物の主な取扱い品目別では、消費関連貨物が-7.7(-23.2)と15.5P改善、建設関連貨物は-38.3(-37.0)と1.3P悪化、機械関連貨物は2.7(-31.1)と33.8P改善し、その他貨物は-29.6(-45.2)と15.6P改善した。

一般貨物業界の景況感を地域別にみると、北海道、東北、関東、北陸信越、中部、近畿、中国、四国、で水準を上げている。

10-12月は消費関連貨物がやや水準を下げ、機械関連貨物はわずかに水準を下げる。建設関連貨物、その他貨物は横ばい。一般貨物の地域別では、中部、九州で水準を上げ、北海道、東北、北陸信越、中国、四国では水準が低下する見込み。