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第一中央汽船、海事クラスター14社が出資支援へ

2016年3月9日 (水)

ロジスティクス第一中央汽船は9日、同社の主要債権者となっている船主・造船所など海事クラスター14社との間でそれぞれ出資契約書を締結したと発表した。これが実現すれば、14社からの出資総額は22億9000万円となり、海事クラスターが連携して同社の再建を支える形となる。

同社は子会社のスターバルク・キャリアとともに民事再生手続きを開始し、スポンサーの選定を進めているが、スポンサー候補者として数社が支援案を提示する一方、主要債権者の船主を含む国内の海事クラスターが「特定のスポンサーによらない再建方法」として資金支援の意向を表明。

これらの再建方法を検討した結果、「海事クラスターから出資を含む資金支援を受ける形」で再建を進めることが、早期の事業再生と債権者に対する弁済の最大化につながる判断し、海事クラスターとの間で出資契約を結ぶことにした。

これにより、同社は東京地裁に提出する予定の再生計画案で、「既存の全株式を無償で取得する」という規定を定め、再生計画案の認可を目指す。

計画案の決定が確定した後、既存の全株式を取得・消却した上で第三者割当増資を行い、海事クラスターが引き受ける形で出資し、新たな株主となる。この場合の出資額は総額22億9000万円で、別に3億9000万円を借り入れる考え。また、これら14社以外にも出資や融資を検討している企業があるということで、今後、出資額や融資額が増加する可能性がある。

同社では、海事クラスターからの幅広い支援を得られる見通しとなったことを受け、「これまで当社の民事再生手続によりご心配、ご迷惑をおかけしたが、当社は海事クラスターより資金支援を受け、再建を図っていくこととなった。今後、当社は、速やかに再生計画案を提出するとともに、当社海運事業の再生を目指して、今後とも全社一丸となって民事再生手続に取り組む」としている。