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ロシア鉄道社長、日ロの物流関係拡大に期待感

2016年3月11日 (金)

国際ロシア鉄道のオレグベロゼロフ社長は、東京で開催された日ロ両国のビジネス協力を目指すロシア産業エネルギー省主催のフォーラムで、輸送・物流の分野で日本企業との関係の発展を重視していると指摘した。

同社がトヨタ、マツダ、三菱、スバルなど日本の大手企業と日常的な協力関係にあることを踏まえ、ベロゼロフ社長は2月29日に開催されたフォーラムで「近年、2国間の貨物鉄道輸送は全体的にポジティブな傾向を示しており、われわれの協力関係は重要な可能性を秘めていると信じている」と述べ、日ロ両国の物流分野における関係を広げていくことが可能だという考えを示した。

2015年に日ロ間を通過した貨物輸送量は、日本向けの出荷が伸びたためにほぼ9倍増の数百万トンに達した。トランジットコンテナ貨物は14年実績を17%上回って2400TEUとなり、16年に入ってからもその勢いを維持している。

1月のコンテナ貨物量は、日本からの輸入増が全体を押し上げ、前年同期比で7%以上の伸びを示し、ほぼ5000TEUに達したことを受け、ベロゼロフ氏は「日本企業がロシア鉄道のインフラを用いて出荷量を増やすことに関心を持っている」と述べた。

また、日本企業による極東地域の輸送インフラ開発への投資誘致についても言及し、「まずは国際物流分野で、物流インフラ開発プロジェクトに投資し、ロシアと北東アジアを結ぶ輸送回廊を形成する取り組みへの参画を提案する。具体的には、モスクワとセベリャーニン、リュブリノを結ぶ貨物ハブとして物流ターミナルやセンターを構築するということだ」と話し、物流インフラ開発への日本企業の投資に期待を示した。

さらに、横浜港からモスクワに向けて日本やほかのアジア諸国から商品を輸送する輸送サービス「バイカルシャトル」を開発するなど、輸送サービスの改善に取り組んでいることを強調。このサービスにより、横浜とモスクワ間の輸送コスト格差を縮め、輸送時間も42日間から25日間へ短縮するという。