メディカル大日本印刷(DNP)は9日、紙器や液体紙容器などを製造する田辺工場(京都府京田辺市)に隣接する「軟包材」の新工場を竣工した。
軟包材は、機能性に優れたフィルムを使用した袋やパウチ、チューブなどのパッケージで、食品や日用品、医療品などに幅広く利用されている。新工場では、熱エネルギー源として「ヒートポンプ技術」を採用。
印刷工程で、ヒートポンプから得られる熱媒体と、DNPが独自に設計・製作した乾燥装置を組み合わせることにより、石油や天然ガスなどの石化燃料を利用する必要がなく、電力使用量も抑えられることから、CO2の排出量とエネルギー使用量を大幅に削減する。また、環境対応プロセス技術を確立し、生産工程で発生するVOC(揮発性有機化合物)を回収して「溶剤のリユース」と「溶剤の燃焼熱リサイクル」を図るなど、循環型工場を目指す。
田辺工場では、1995年から菓子などの紙器のほか、酒や牛乳などの液体紙容器を専門に製造。今回の新工場設立により、紙器・液体容器と軟包材を同一拠点で生産することで、紙とフィルムの複合製品などの効率的な生産を行う。
■新工場の概要
所在地:京都府京田辺市大住西北向29-1
敷地面積:6万3000平方メートル
建築面積:2万7000平方メートル
延床面積:4万3000平方メートル
竣工:11月9日