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産業・一般リチウムイオン二次電池（LiB）の負極材「ハードカーボン」の新規品の共同開発を進めていたクレハとクラレは14日、植物由来原料の新規開発品「バイオカーボトロン」の共同事業化に向けて合意したと発表した。
来春をメドにクレハと伊藤忠商事の合弁による電池材料事業会社「クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン」（KBMJ）に、クラレが資本参加・人材投入を行うとともに、KBMJとクラレグループのクラレケミカル（大阪市）の生産合弁会社を新設し、2013年には年産1000トンレベルで量産・供給体制を構築することで基本合意したもの。
クレハは、ピッチ系ハードカーボン「カーボトロンP」を事業化しており、充放電特性と耐久性が評価され、産業用や車載用大型LiB用途などに活用されている。ハイブリッド車・電気自動車向けのLiB開発が活発化する中、ハードカーボン固有の特性が注目されており、自動車・電池メーカーからの品質要求も多様化、対応する新規品の開発が課題となっていた。
クラレは、活性炭事業などを通じて得られた炭素材に関する知見をもとに、新規ハードカーボンの開発に取組み、事業化にメドを得たことを足掛かりに、成長分野であるLiB部材市場での事業拡大を図りたい考え。
伊藤忠商事は、二次電池分野取組み強化の一環として、LiB関連素材事業での投資を積極的に行っており、負極材分野でもカーボトロンPのグローバル展開を加速させている。
今後、KBMJはクラレの経営参加により新商品開発能力や安定供給体制を強化し、コストパフォーマンスを追求する。ハイブリッド車用・電気自動車用だけでなく、定置用、スマートコミュニティ、家庭用など、LiB市場は急速な普及が見込まれており、負極材の需要量は現在の年間数千トンから、10年後には年間10万トン以上に達する見通し。
