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7-9月期はさらに悪化

4-6月のトラック運送景況感が9.8P悪化、全ト協調べ

2016年8月8日 (月)

ロジスティクス全日本トラック協会(全ト協)が8日に発表した、4-6月期のトラック運送業界の景況感速報によると、昨年同期に比べ景況感の判断指数は-40.7となって前回の-30.9から9.8ポイント悪化したことがわかった。

全ト協は、「非製造業の業績に伸び悩みが見られた。これまで好調だった訪日外国人旅行者の需要が鈍り始め、国内の消費関連需要も停滞したことなどが影響したと見られる。さらに、中国経済の鈍化や、6月以降円高が進行したことで、輸出産業を中心にマイナス影響を与えた」と分析している。

7-9月期の判断指数は、海外景気、円高、国内消費などの改善見込みは薄く、荷動きの早期回復が期待されないことから、今回より3.7ポイント悪化し、-44.4の見通しとなっている。

■一般貨物、営業利益の判断指標13.9P悪化
一般貨物では、輸送数量を「減少」とする事業者が41.7%、「増加」が15.4%で、判断指標は-30.9%となり、前回(-23.6)から7.3ポイント悪化した。営業収入では減少が40%、増加が21.6%で、判断指標は-23.9となり、前回(-16)から7.9ポイント低下。営業利益は減少が38.2%、増加が20.9%で判断指標は-22.5となり、前回(-8.6)から13.9ポイント悪化した。

7-9月期は輸送数量がほぼ横ばい、営業収入・営業利益はやや悪化の見込み。

■宅配貨物の営業収入32.1P悪化
宅配貨物は輸送数量の減少が40%、増加が15%で、判断指標は-30となり、前回(-3)から27ポイント悪化した。営業収入では減少が30%、増加が15%で、判断指標は-20となり、前回(12.1)から32.1ポイント悪化した。営業利益は減少が35%、増加が10%で、判断指標は-30となり、前回(-9.1)から20.9ポイント悪化した。

宅配以外の特積貨物では、輸送数量は減少が40.8%、増加が14.2%で、判断指標は-26.5となり、前回(-25.5)から1ポイント悪化。営業収入は減少が38.7%、増加が22.4%で、判断指標は-18.4となり、前回(-14.5)から3.9ポイント悪化した。営業利益でも減少が34.7%、増加が24.4%で、判断指標は-10.2となり、前回(-5.5)から4.7ポイント悪化した。

7-9月期は宅配貨物が輸送数量、営業収入、営業利益が改善の見込み。宅配以外の特積貨物は、輸送数量がわずかに悪化、営業収入、営業利益は悪化の見込み。

■運賃・料金水準、特積貨物が22.3ポイント悪化
運賃・料金水準は、一般貨物が-7(前回-3)と4ポイント悪化、宅配貨物は0(前回15.2)と15.2ポイント悪化、宅配以外の特積貨物は-4.1(前回18.2)から22.3ポイント悪化となっている。

7-9月期は、一般貨物がやや低下、宅配貨物が横ばい、宅配以外の特積貨物はやや低下の見込み。

■労働力不足感が緩和
実働率は-26.5(前回-17.8)と8.7ポイント悪化、実車率は-24.1(前回-16.2)となり、7.9ポイント悪化となった。雇用状況(労働力の過不足)は60.9(前回72.2)と11.3ポイント低下し、不足感が弱くなった。

採用状況は-8(前回-1.6)で指標は6.4ポイント減少し、所定外労働時間は-16.2(前回-9.4)と6.8ポイント減少している。貨物の再委託(下請運送会社への委託割合)は-12.8(前回-5.1)で7.7ポイント減少となった。経常損益は-16.1(前回-1.3)となり、14.8ポイント悪化となった。

7-9月期は実働率がほぼ横ばい、実車率がわずかに改善の見込み。雇用状況は指標の水準を上げ、不足感が強まる見込み。採用状況はほぼ横ばいの見込み。所定外労働時間、貨物の再委託がほぼ横ばい、経常損益は指標の水準を下げる見込み。

■機械関連貨物が19.5ポイント悪化
事業者の規模別では、大規模事業者が-21.8(前回-10.9)と10.9ポイント悪化、中規模事業者は-45(前回-32.1)となり、12.9ポイント悪化、小規模事業者は-41.8(前回-38.2)と3.6ポイント悪化となっている。

一般貨物の主な取り扱い品目別では、消費関連貨物が-29.4(前回-15.6)と13.8ポイント悪化、建設関連貨物が-52.7(前回-55.4)と2.7ポイント改善、機械関連貨物が-43.4(前回-23.9)と19.5ポイント悪化、「その他貨物」が-46.7(前回-37.9)と8.8ポイント低下している。

一般貨物業界の景況感を地域別にみると、北海道、近畿、九州は水準を上げているが、このほかの地域は下げている。

7-9月期は規模別で大規模事業者が悪化、小規模事業者がやや悪化、中規模事業者がほぼ横ばいの見込み。

取り扱い品目別では機械関連貨物がほぼ横ばい、建設関連貨物、その他貨物は水準をわずかに下げ、消費関連貨物は水準をやや下げる見込み。地域別では、中国、四国がやや水準を上げる見込み。