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1-3月のトラック運送景況感7.7P悪化、全ト協調べ

2018年2月9日 (金)

調査・データ全日本トラック協会(全ト協)が9日に発表した、2017年10-12月期のトラック運送業界の景況感速報によると、16年同期に比べ景況感の判断指数は2.2となり前回の-12.7から14.9ポイント改善したことがわかった。

全ト協は、「燃料価格上昇や労働力不足などによるコスト増加の影響を受け、経常損益はやや悪化したものの、一般貨物では輸送数量・運賃・料金の水準は堅調に推移し、宅配貨物では運賃・料金の水準が回復基調で推移した」と分析。

18年1-3月期の判断指数は、燃料価格上昇や運転者の人材不足などが継続して影響することから、経常損益は悪化傾向となることが見込まれるため、今回から7.7ポイント悪化し、-5.5となる見通し。

■一般貨物、輸送数量の判断指標12.6P改善
一般貨物では、輸送数量を「減少」とする事業者が19.5%、「増加」が33.6%で、判断指標は12%となり、前回(-0.6)から12.6ポイント改善した。売上高では減少が21.6%、増加が35.9%で、判断指標は13.2%となり、前回(2)から11.2ポイント改善。営業利益は減少が32.1%、増加が23.8%で判断指標は-11.5となり、前回(-12.3)から0.8ポイント改善した。

1-3月期は運賃・料金の水準が16.3と3.5ポイント改善するものの、輸送数量は3.1と8.9ポイント悪化することから、売上高は2.6と10.6ポイント悪化するため、営業利益は-18.3と6.8ポイント悪化する見込み。

■宅配貨物の営業利益9.8P悪化
宅配貨物は輸送数量の減少が50%、増加が21.4%で、判断指標は-39.3となり、前回(3.6)から42.9ポイント悪化した。売上高では減少が27.5%、増加が31%で、判断指標は-6.9となり、前回(0)から6.9ポイント改善。営業利益は減少が41.4%、増加が27.5%で、判断指標は-24.1となり、前回(-14.3)から9.8ポイント悪化した。

宅配以外の特積貨物では、輸送数量は減少が17.5%、増加が39.7%で、判断指標は22.2となり、前回(34)から11.8ポイント悪化した。売上高は減少が11.1%、増加が50.8%で、判断指標は39.7となり、前回(30.2)から9.5ポイント改善。営業利益は減少が22.2%、増加が36.5%で、判断指標は14.3となり、前回(-3.8)から18.1ポイント改善した。

1-3月期の宅配貨物は、運賃・料金の水準が72.4と10.4ポイント悪化するものの、輸送数量が-17.2と22.1ポイント改善することから、売上高は27.6と34.5ポイント改善する。営業利益は6.9と31ポイント改善する見込み。

宅配以外貨物では、輸送数量は28.6と6.4ポイント改善するものの、運賃・料金の水準が47.6と4.8ポイント悪化する影響を受け、売上高は36.5と3.2ポイント悪化、営業利益は6.3と8ポイント悪化する見通し。

■運賃・料金水準、宅配貨物が20.9ポイント改善
運賃・料金水準は、一般貨物が12.8(前回7.4)と5.4ポイント改善、宅配貨物は82.8(前回67.9)と14.9ポイント改善、宅配以外の特積貨物は52.4で(前回50.91)から1.5ポイント改善となっている。

1-3月期は、一般貨物では3.5ポイント改善、宅配貨物は10.4ポイント悪化、宅配以外貨物は4.8ポイント悪化する見込み。

■労働力不足感「一層強まる」
実働率は11.6(前回-0.5)と3.1ポイント悪化、実車率は9.3(前回-0.7)となり、10ポイント改善し、前回とくらべて輸送の効率性が向上した。雇用状況(労働力の過不足)は100.7(前回81.5)と19.2ポイント上昇し、不足感が「一層強まった」。採用状況は-12.8(前回-8.2)で指標は4.6ポイント低下した。

所定外労働時間は-1.2(前回-12)と13.2ポイント増加。貨物の再委託(下請運送会社への委託割合)は9.3(前回6.5)で2.8ポイント増加となった。経常損益は-6.4(前回-15)となり、8.6ポイント改善した。

1-3月期は実働率は0.2と11.4ポイント悪化、実車率は0.2と9.1ポイント悪化するなど輸送効率は悪化する見込み。採用状況は-12.6と今回とほぼ同様の水準の見込みであることから、雇用状況(労働力の不足感)は110.5と9.8ポイント上昇し、一段と人材不足感が強まる。

所定外労働時間は-9.1と10.3ポイント減少、貨物の再委託は4.7と4.6ポイント減少する見込み。経常損益は、燃料価格上昇、運転者人材の不足などの影響から、-14.7と8.3ポイント悪化し、経常損益の水準は落込む見通し。

■大・中・小規模事業者すべてで大幅改善
事業者の規模別では、大規模事業者が13(前回-4.1)と17.1ポイント改善、中規模事業者は6(前回-9.9)となり、15.9ポイント改善、小規模事業者は-8.6(前回-21.2)と12.6ポイント改善となっている。

一般貨物の主な取り扱い品目別では、消費関連貨物が-1(前回-11.5)と10.5ポイント改善、建設関連貨物が2.4(前回-9.4)と11.8ポイント改善、機械関連貨物が-3.8(前回-15.2)と11.4ポイント改善、「その他貨物」が0.5(前回-17.4)と17.9ポイント改善。

一般貨物業界の景況感を地域別にみると、北海道、関東、北陸信越、中部、近畿、四国、九州は水準を上げている傾向だが、北海道、中国は水準を下げている。

1-3月期は規模別で大規模事業者は10と3ポイント悪化、中規模事業者は-1.8と7.8ポイント悪化、小規模事業者は-18.8と10.2ポイント悪化と、事業規模を問わず水準を下げる見込み。一般貨物の景況感を取扱品目別にみると、消費関連貨物は-2.9、建設関連貨物は-8.3、機械関連貨物は-11.5、その他貨物は-11と、全ての取扱品目で水準を下げる。一般貨物の景況感を地域別にみると、全ての地域で水準を下げる見通し。