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日本製紙、セルロースナノファイバー量産設備を設置

2016年8月19日 (金)

拠点・施設日本製紙は18日、ケミカル事業本部江津事業所(島根県江津市)に、食品、化粧品向けのセルロースナノファイバー(CNF)量産設備を設置すると発表した。

この設備は、食品添加物として販売しているカルボキシメチルセルロース(CMC)の製造技術を応用したCNF製造設備で、投資金額は11億円、年間生産量は30トンとし、将来的には100トンまで増産可能な設備にする。完成は2017年9月。

同社はこれまで江津事業所を中心に、セルロース誘導体など木材成分を利用した機能性ケミカル製品を製造し、日本だけでなく国外市場にも販売してきた。CMCは、木材セルロースを原料として得られるアニオン系水溶性高分子で、優れた増粘性・吸水性・保水性を発揮する、天然由来の添加剤として、食品や化粧品などで広く使われている。

そこで、CNFの新たな展開として、CMC製造技術を用いて化学処理した木材パルプからカルボキシメチル化CNFを得る製法を確立。この製法は、温度変化による粘度変化が小さく、ネバツキがないなど、従来の添加剤にない特長を持っている。また、水分散したCNFを固形化する技術も併せて確立し、CNFの腐敗防止や輸送コストの削減を達成した。(き)