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日本郵船・商船三井・川崎汽船が定期コンテナ船事業統合

2016年10月31日 (月)
会見
空白

ロジスティクス日本郵船・商船三井・川崎汽船の邦船3社は10月31日、記者会見を開き、定期コンテナ船事業を統合すると発表した。事業統合は3社が出資する合弁会社を2017年7月1日付けで設立し、日本郵船が38%、商船三井と川崎汽船がそれぞれ31%を出資する。これにより、船隊規模は世界6位、シェア7%の巨大「日の丸コンテナ船社」が誕生する。17年4月1日から統合会社としてのサービスを開始する。

定期コンテナ船事業の事業統合を決めたのは、船舶の過剰供給が続き、運賃が歴史的な低水準まで下落しているなか、「ほぼすべて」のコンテナ船社が赤字に陥っている事業環境下で「各社単独での対応は限界に近づきつつある」という危機感が背景にあり、韓進海運の破綻によって事業統合への動きが加速したものとみられる。

韓進海運の破綻後、東西航路(アジア-北米)ではマースクやMSCといった欧州系の大手がシェア拡大を狙って攻勢を強めており、日本の大手3社は「グローバルなアライアンスメンバーシップを確保し続けていく上で、一定以上のスケールを持つことが必要になると考えた」。

会見終了

今回の動きは、3社が定期コンテナ船事業からの撤退を意味するものではなく、今後は各社の持分法適用会社という形になりながらも「中核事業」に位置付けていく考え。

合弁会社は現金・船舶・ターミナル株式の現物出資を組み合わせ、3社が直接出資する統合運営会社と統合持株会社を17年7月1日に設立。実際の定期コンテナ船事業と海外ターミナル事業は統合運営会社が運営し、統合持株会社は株主として統合運営会社を監督するスキームを採用する。

日本郵船が38%、商船三井と川崎汽船がそれぞれ31%を出資することになった経緯について、3社は「資産価値・収益力・運航規模・その他さまざまな要素を勘案し、3社間で協議した上で決定した」と説明している。

3社の定期コンテナ船事業を単純合算すると、売上高は2兆403億円(NYK7063億円、MOL7191億円、K-LINE6149億円)、運航船腹量138万2000TEU(同50.8TEU、51.7TEU、35.7TEU)、運航隻数256隻(98隻、92隻、66隻)――となる。

輸送力を示す運航船腹量の合算数値は、統合協議が進むハパックロイドとUASCを合算した147万7000TEUに次いで世界6位となるものだが、7位以下は輸送力が100万TEU以下と開きが大きくなることから、200-300万TEUクラスのマースク、MSC、CMA-CGM(+APL)の3社によるトップ集団に続く、2位集団(100-150万TEU)を形成することになる。

邦船3社のコンテナ船統合

(画像は日本郵船・商船三井・川崎汽船の記者会見より)