ロジスティクス国土交通省は16日、新設した「物流を考慮した建築物の設計・運用検討会」の初会合を開き、今後、ガイドラインの対象とする建築物の用途や規模、ガイドラインに沿った取り組みの普及方法などを論点に検討を進めていくことを決めた。
指針を策定し、「一定量の物流が発生することが想定される用途の建築物」に円滑な搬入、荷さばき、館内配送などを導入することで、(1)建築物の利用者の利便性・快適性の向上(2)路上駐車などを抑制することによる良好な景観の形成などの街づくりとの調和(3)路上駐車などによる道路交通への支障防止、見通しが阻害されないことによる安全性の向上(4)運用コストの削減、建築物の資産価値の向上――などの効果が見込めるとして、商業施設、オフィスビル、マンション、複合施設を対象とするよう提案した。
対象とする建築物の規模については、小規模な建築物や物流の発生が多くない建築物は、対策を講じることに物理的な限界があったり、コストに対しての効果が限定的になるとしながらも、「外部の倉庫などを利用しての一括集約搬入による貨物車台数の削減や館内物流の一元管理など、規模にかかわらず対策を講じることが可能」な面もあると指摘。
これらを踏まえ、設計面は「一定規模以上の建築物」、運用面は「規模にかかわらず」それぞれ対象とするよう議論の方向性を示した。
また、ガイドラインを普及・定着させるための施策として、ガイドラインに適合した建築物が認知、評価されるような取り組みを検討することを提案した。